シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

シンママになる前に考えておきたい、相続のこと

ライター 森本由紀

1児の母。12年の結婚生活を経て40代で離婚しシングルマザーに。現在は行政書士・カウンセラーとして活躍するかたわら、ライターとしても執筆活動を行っています。

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元夫が亡くなったら子どもは相続できる?

離婚を考える人の中には、「離婚したら元夫とはもうかかわりたくない」という人も少なくないと思います。けれど、元夫が亡くなれば、相続の問題でかかわる必要が出てくることがあります。「元夫には財産がないから相続なんて関係ない」という人でも、相続ではマイナスの財産である借金も引き継ぐことになりますから、注意しておく必要があります。

シンママが元夫の財産を相続することはない

亡くなった人の配偶者は、必ず相続人になります。けれど、かつては夫婦であったとしても、離婚してしまえばもう他人。離婚後に元夫が亡くなっても、シンママ自身が財産を相続することはありません。

子どもは元夫の財産を相続する

配偶者以外では、法律で定められた優先順位により、相続人になる人が決まります。第一順位の相続人は「子」ですから、亡くなった人に子どもがいれば必ず相続人になります。離婚して別々に暮らしていても、父親と子どもの親子関係が切れることはありませんから、元夫が亡くなった場合、子どもは元夫の財産を相続することになります。

元夫に他に相続人がいない場合

離婚後に元夫が亡くなった場合、再婚もしておらず、他に子どももいなければ、相続人になるのは自分との間の子どもだけです。つまり、元夫が財産を残していれば、子どもが全部相続できることになります。もし元夫が借金を残していた場合には、相続開始を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、借金を相続しないですみます。なお、子どもが未成年の場合には、これらの相続手続きは親であるシンママが代理で行う必要があります。


元夫が再婚後に亡くなった場合には問題が複雑化しやすい

元夫が亡くなっても、自分の子ども以外に相続人がいなければ、シンママにとってはそれほど大きな問題はないと思います。しかし、元夫が亡くなった時点で新しい妻や子どもがいれば、厄介な問題が発生します。

元夫の再婚後の家族も相続人に

元夫が再婚後に亡くなった場合には、再婚相手も相続人となります。また、再婚相手との間に子どもがいれば、その子どもも相続人に。相続においては養子も実子と同じ扱いですから、元夫が再婚相手の連れ子と養子縁組していれば、連れ子も相続人になります。つまり、たとえ元夫が財産を残していても、再婚後の家族がいれば、自分との間の子どもだけが相続できるわけではないということです。

元夫の再婚相手とシンママで話し合い!?

相続人が複数いる場合には、「遺産分割協議」という、相続人全員で財産をどのように分けるか話し合いが必要になります。子どもが未成年の場合には、親権者が代理で遺産分割協議を行わなければなりません。シンママにとってはあまり考えたくないことですが、元夫の再婚相手と元妻である自分とで、遺産分割協議をしなければならない可能性もあるということです。元夫が多額の財産を残していれば、遺産分割協議がスムーズに進まず、争いになることも考えられますから、覚悟しておかなければなりません。


シンママが再婚した場合には相続はどうなる?

自分がもし将来再婚した場合、新しい夫と自分の子どもが養子縁組していれば、子どもは再婚相手の財産も相続することができます。この場合も、子どもは実父である元夫の財産を相続する権利がなくなるわけではありません。実父と養父の両方の財産を相続することになりますので、しっかり確認しておきましょう。


まとめ

相続なんてまだまだ先と思っていても、ある日突然元夫が事故で亡くなることも考えられます。そして、子どもが小さい間は、自分が子どもの代わりに元夫の相続手続きを行わなければなりません。子どもを連れて離婚するときには、相続についても多少は意識しておくようにしましょう。