シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

無料塾って本当に無料なの?

ライター 小宮位之

1977年、東京生まれ。共働きの貧困家庭に育つ。祖父母の援助で國學院大學文学部史学科を卒業。私立高校の非常勤講師を経て、映像制作の仕事に従事。2012年9月に八王子つばめ塾を設立。

Photo takayuki komiya

Study main

相対的貧困と子どもの学習

日本では現在、「6人に1人が貧困」と言われています。本当でしょうか?
貧困には絶対的貧困と相対的貧困があります。絶対的貧困とは、生きるにあたって最低限必要と考えられている食料・生活必需品を購入するためのお金がない状況です。
これに対し、「相対的貧困」は、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員と定義されており、その割合は、その国の所得格差を示します。

2012年の調査では中央値は244万円なので、貧困線は122万円になります。この貧困線を下回る割合が16.1%のため、「6人に1人が貧困」となります。

この額は、可処分所得です。個人所得の総額から税や社会保険料などを差し引いた残りの額で、個人が自由に処分できる所得。つまり、実際に使えるお金です。1ヵ月約10万円になりますが、ここから家賃や光熱費を払って、と考えるといくらも残りませんよね。

そして、18歳未満でこの貧困線に届かない人の割合を「子どもの貧困率」といいます。2012年は過去最悪の16.3%でした。35人学級でいえば、5~6人が貧困ということになります。

子どもの学習状況は?

このような状況を踏まえて、昨今の子どもの学習に目を転じていきたいと思います。
現在、公教育の授業の中で勉強についていけなかった場合、フォローすることが大変難しくなっています。公立の小中学校の先生は忙しく、一人ひとりの補習をしてくれる方は珍しくなっています。
家庭でどこまでサポートできるかが重要になってきますが、母子家庭、共働き家庭では特に厳しいと思います。
夕方まで働き急いで帰宅した後も、お母さんは夕食の準備など家事や育児に追われます。このように疲れて忙しい状況で、きちんと宿題を見ることができるでしょうか? 「この漢字の点がないよ。ここ、はねてないよ」「この英単語のスペルが間違っているよ」このように細かくチェックことは、よほどの気力がなければできません。
有料塾や家庭教師へのニーズも高まっていますが、その費用は高く経済的に苦しい家庭では捻出するのは簡単ではありません。