シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

シングルマザーの再婚 子どもの養育費・相続・親権はどうなるの?

ライター オイカワユキコ

小学生の娘と暮らすシングルマザー。「幸せになるために離婚した」をモットーに、個人事業主としてライター・役者・イベントコンサル・シュガーアーティスト・国際交流のNPO など多方面で活動中。

Photo yukiko oikawa

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以前の記事で、シングルマザーが再婚する際のお子さんの戸籍の動きについてご紹介しました。
ただ、養子縁組をするしないで「再婚相手や元夫の子どもに対する義務や権利がどう関わってくるのかが分からない」という方もいらっしゃると思います。
今回は、養育費、相続、親権及び保険などに関して確認したいと思います。

シングルマザーの再婚 子どもの戸籍はどうなるの?どうするの?

再婚後も養育費は貰えるの?

普通養子縁組をするしないに関わらず、実父と子である関係は変わらないので、再婚後も実父には子どもを養育する義務はあります。

実際「実父として子どもにできる唯一のこと」と考え、再婚後も養育費を払い続ける方もいまが、多くの場合、シンママの再婚を期に養育費の停止や減額を求めてくるでしょう。

「再婚相手が養育している」「子どもは夫婦で養うのが当然」と言われると、こちらとしては元夫の要求を聞かざるを得ないでしょう。

離婚後に養育費がきちんと支払われなくて経済的に困窮しているシンママが多数いる、ということからもわかるように、残念ながら「養育費の支払いは、義務の有無と関係なく実父の気持ちひとつ」と言えます。

なお、特別養子縁組をした場合は、子との縁が切れるので実父は養育費を払う義務もなくなります。

相続について

再婚するときの手続きで状況が異なります。

普通養子縁組

  • 子は再婚相手の法定相続人となることができる
  • 実父の子であることも変わらないので、二人の父親の相続の対象になる

特別養子縁組

  • 子は再婚相手の法定相続人となることができる
  • 実父と子は他人となるため、扶養義務も相続の権利もなくなる

養子縁組をしない

  • 子にとって父親は実父だけ
  • 再婚相手と子に扶養義務は発生しない
  • 再婚相手が子に相続させたい場合は遺言書が必要になる

「普通養子縁組をして、両方の父親から相続できるようにしておいた方がいいのでは」と考えると思いますが、負の遺産もあります。

普通養子縁組では元夫と子どもは一生親子ですから、介護が必要になった場合の親への扶養、借金などが子どもに関係してくる、ということにもご注意ください。

親権はどうなるの?

シンママが親権を持っていると

  • 再婚して養子縁組
    再婚相手とあなたの二人に子に対する親権ができる
  • 再婚して養子縁組はしない
    再婚相手と子は法的に親子ではないため再婚相手に親権はできない

となります。

なお、元夫に親権がある場合(離婚時に「シンママが監護権」「元夫が養育権」と分けた方の場合)は、養育権を持っている元夫が親権者となるため、再婚を期に親権を取り戻したいと思っても、かなり難しくなります。

ただ、方法が全くないというわけではありません。子どもが15歳未満か15歳以上かによっても変わってきます。

1.子が15歳以上で養子縁組をする場合
養子縁組に親の許可は必要ないので、子どもが希望すれば再婚相手と子どもは養子縁組をすることができます。
親権は夫婦が共同で持つものなので、養子縁組が成立すると、再婚相手の妻であるママにも「親権」が戻ります。

2.子が15歳未満で養子縁組をする場合
「親権者の同意書」が必要になるため、養子縁組を勝手にすることはできません。
元夫に養子縁組を認める「親権者の同意書」に記入してもらえれば、再婚相手と子どもは養子縁組をすることができます。

3.15歳未満の場合で親権の変更をする場合
再婚を理由に親権の変更を申し立て、最初にママに親権を戻した後に再婚相手と子どもが養子縁組をする、という方法もあります。
しかし、離婚後の親権者の変更は容易ではなく、家庭裁判所の調停・審判によって行う必要があります。

親権者変更調停
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_07_10/

養子縁組をしない場合 保険などはどうなるの?

養子縁組をすると本当の親子を同じようになるので、特に疑問はないと思います。気になるのは、養子縁組をしない=継子(連れ子)の場合ですよね。

再婚相手の健康保険に加入できるの?

答:条件を満たせば加入できます

健康保険の扶養者の条件は「被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている人」となっているので、養子でなくても「再婚相手と同一の世帯で、主に再婚相手の収入により生計を維持されている」場合は加入できます。ただし、継子が18歳未満であること、同居していることなども条件となります。

全国健康保険協会 被扶養者とは?
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3163/1959-230

扶養控除は受けられるの?

答:条件を満たせば受けられます

扶養控除上、再婚相手にとって継子は「一親等の姻族」となります。このため、対象扶養親族の条件を満たしていれば、再婚相手は扶養控除を受けられます。

国税庁 扶養控除
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180.htm

扶養手当は受けられるの?

答:会社によって異なります
会社支給の扶養手当は各社で規定が異なります。勤務先に「継子の扶養手当の条件」を確認する必要があります。

まとめ

いかがでしょうか? 上記のように法律的には色々なパターンがあります。
実父も養父も子どもに「父親」としての責任を持ってもらえると、ママも幸せですよね。そのためにも法律に少し詳しくなっておくことをおススメします。