シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

就学援助制度、利用していますか?

ライター 加藤葉子

女性とシングルマザーのお金の専門家として、全国の女性よりお金の相談を受けているファイナンシャルプランナー。行政主催のマネー講座や女性ファイナンシャルプランナーの養成などでも活動中。シングルマザーで一児の母。

Photo yoko kato

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少し前までママにべったりだったのにもう小学生! 可愛いお子さんの成長は嬉しいものですよね。でも、大きくなるに従って増えてくる学費に経済的な不安を感じ始める人も多いのではないでしょうか?

今日は、小学生や中学生のお子さんをもつシングルマザーに、就学援助制度の知らないとソンするポイントと注意点をお伝えしたいと思います。

就学援助制度とは?

小学校・中学校に通う子どもが学校で勉強できるよう、文具や教材、給食などの費用を援助してくれるのが就学援助制度です。

援助対象となる主な費用は、文部科学省の制定した条件によると

  • 学用品費
  • 体育実技用具費
  • 新入学児童生徒学用品費等
  • 通学用品費
  • 通学費
  • 修学旅行費
  • 校外活動費
  • 医療費
  • 学校給食費
  • クラブ活動費
  • 生徒会費
  • PTA会費

となります。

シングルマザーにとっては児童扶養手当と同じくありがたい制度です。
では、どのくらいの費用を援助してもらえるのでしょうか?

シングルマザーの受給額と声

就学援助制度を申請し援助費用を実際に受給しているシングルマザーさんの声です。

「子どもが小学1年生の時に転職して、収入が下がりました。それからすぐ学校に申請して、それからは年に3回振り込まれています。年間22,790円支給してくれるのですが、給食費は年間43,000円ほどかかるところが無料になるので、実質6万円以上の補助になっています。とても助かっています」

年間6万円以上は大きいですね!

学校から配布される「就学援助」のお知らせを見ると、小学1年生、中学1年生と修学旅行費が2万円以上の支給となっており、大きな費用がかかるタイミングでの支給もありがたいですね。

[参考資料:学校から配布された資料の一部]


就学援助制度の対象者とその調べ方

対象者の条件は、お子さんが小・中学校に在籍していることです。
詳細の条件、内容、案内の仕方は自治体よってかなり異なるので、お住いの自治体のWEBサイトでチェックしてください。

今回は、大阪府大阪市と東京都大田区を例にご説明します。

大阪府大阪市の条件例

さまざまな支給条件が設定されているので、一部抜粋して紹介します。

  • 児童扶養手当の支給を受けている方
  • 市民税が非課税の方
  • 国民年金保険料を減免された方

東京都大田区の条件例

大田区では支給条件が記載されているのではなく、所得が一定以下の世帯に対して、という条件になります。

認定基準所得の目安

世帯人数 2人 3人 4人 5人 6人
所得の目安 277万円 345万円 378万円 465万円 515万円
モデルケース 母30歳
子(小学1年生)
父35歳
母30歳
子(小学1年生)
父35歳
母30歳
子(小学4年生)
子4歳
父40歳
母35歳
子(中学3年生)
子(小学4年生)
子(小学1年生)
父40歳
母35歳
子(中学3年生)
子(小学4年生)
子(小学1年生)
祖母65歳

※所得金額はあくまで目安です。認定基準額は家族の年齢構成などによって異なります。

自治体によっても記載内容がこれだけ異なるため、わかりにくいところもあります。
まずは、お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。特に、離婚直後や引っ越し直後は忙しいと思いますが、現金支給は本当に助かる制度です。忘れずに申請するようにしましょう。

大阪市 小・中学校の就学援助
http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000370721.html

大田区 就学援助の対象者
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/kodomo/kyouiku/gakko/syugaku_enjo/enjo_taishosha.html

所得制限の「所得」の確認方法は?

就学援助を受けるためには「所得条件」があることがわかりました。
自治体によっても変わってきますが……、そもそも、その「所得」はどこで確認できるのでしょうか?

給与所得者と自営業者、それぞれの場合についてご説明します。

  • 給与所得者
    年末に貰う源泉徴収票の「所得控除後の金額」
  • 自営業者
    確定申告書の「所得金額」

下図で赤で囲った部分の金額が「所得」になります。
お住いの自治体に就学援助の受給要件を問い合わせる時は、お手元に「源泉徴収票」や「確定申告書」があると、より正確に確認できます。なお、「源泉徴収票」や「確定申告書」は大事な書類です。なくさないようにしましょうね。



就学援助制度の申込方法

新学期にお子さんの学校から「就学援助費受給申請書」が配布される場合もありますが、念のためお住いの自治体に確認しましょう。申請書が手元に届いたら必要事項を記入し、学校や指定された窓口に提出します。

多くの自治体では、新学期の申込み時期以外でも、収入の変化などがあった場合は臨時で対応しています。
離婚や退職などで急激な収入の変化が生じた時は、早めに問い合わせましょう。

終わりに

就学援助制度はどの自治体にもある制度ですが、学校での申請書配布の有無など、周知度にも差があります。
少し面倒かもしれませんが、お住いの自治体に自分で確認し、該当するのであれば申込み、その後も受給できるようにしておきましょう。

平成27年に発表されたデータによると、国内の就学援助制度の受給者は現在150万人を超えています。大阪では児童数の25%を超える人が申請しています。

就学援助制度は国が用意してくれたありがたい制度です。ぜひ利用して少しでも家計の足しにしてくださいね。