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元夫が新居まで押しかける!救済施設や法的な措置はあるの?

ライター 辻寿子

フリーライター歴22年、シンママ歴6年。一卵性双生児の息子は、長男が脳性マヒで車椅子。日本化粧品検定1級、サプリメントアドバイザー取得。結婚歴3回、死別→離婚→離婚の経験あり。

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DVから逃れ離婚が成立して新しい生活を始めた矢先、元夫が新居に押しかけてきた場合は、どのように対処すればいいのでしょうか? 

今回は、元夫が新居に現れた際に助けてくれる公的な施設や法的な措置ができるのかについてご紹介したいと思います。

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)

まずは、DVに関する法律をみてみましょう。法律では、元夫からの暴力に対する法的な保護がしっかりと定められています。

※DV防止法からの引用です。
(定義) 
第一条  この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。
2  この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。
3  この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。

この法律を踏まえた上で、施設や法的措置の内容を詳しくみていきましょう。

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13HO031.html

配偶者暴力支援センター

都道府県に設置されている施設に、DV被害による相談や対策、カウンセリング、援助や情報提供、一時保護などを行う機関として設置されています。

各市町村でも、それぞれが設置している施設において配偶者暴力支援センターの役割を果たすようになっています。

設置先は自治体により異なりますが、婦人相談所、福祉事務所、女性センターなどが配偶者暴力支援センターに指定されていることもあるようです。

相談したい場合は、事前に役所に電話で問合せしましょう。

具体的には

  • DV被害の相談や相談先の紹介
  • カウンセリング
  • 生活の自立を援助するための情報提供など
  • 被害者の緊急時の一時保護
  • 被害者を保護し、居住できる施設の情報提供や援助
  • 保護命令制度の情報提供と援助

などの支援を行っています。

一時保護は、婦人相談所や一定の基準を満たしている施設などに委託して実施されます。

母子生活支援施設

母子生活支援施設は「児童福祉法」に定められている施設です。

最近は夫のDVが理由で入居するケースが多いため「DVシェルター」と呼ばれることもあるようですが、「配偶者がいない女性、もしくは、離婚予定の母と子ども(18歳未満)を保護し、仕事や学校という場を提供するとともに自立支援を行う施設」です。

なお、DVシェルターと呼ばれる施設には民間が行っているものもあります。

民間施設は被害者への配慮から秘匿性が高く、その住所さえ明らかにされていないこともあります。

ただ、秘密が守られる代わりに、施設の内情もわかりにくいという特徴があります。
どのような施設でどのような保護が受けられるのか、入所施設選びには注意が必要になります。

もちろん、「母子生活支援施設」でも被害者の秘密は厳守してくれます。まずは、公的な「母子生活支援施設」へ相談してみましょう。

法的措置「保護命令」とは? 

保護命令は、DVや嫌がらせ、つきまといなどの加害者に対して裁判所から発令される命令の一種です。

緊急性があるため比較的スピーディに発令されます。色々な種類があるため、それぞれの申立の仕方や命令違反の罰則について確認していきましょう。

保護命令の種類

保護命令の種類は以下の通りです。

  • 接近禁止命令
    加害者が被害者の住まいや、職場へ近づくことを禁止し、つきまといや徘徊をしてはならないとする命令で、効力は6カ月間です。
  • 退去命令
    加害者を自宅から立ち退かせることができる命令。命令が出されると加害者は2ヶ月間は自宅から退去する必要があり、近辺を徘徊することも禁止されます。
  • 電話等禁止命令
    接近禁止命令が出ていないと発令されません。面会や無言電話、脅し、緊急以外のFAXやメール、夜間の連絡、汚物などの送付が禁止されます。
  • 被害者の子への接近禁止命令
    接近禁止命令が出ていないと発令されません。被害者の子どもへのつきまといや徘徊を禁止します。
  • 被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者への接近禁止命令
    接近禁止命令が出ていないと発令されません。被害者の周囲の者への接近を禁止します。

申し立ての方法 

保護命令は「地方裁判所」へ申し立てます。

相手方や申立人の住所のほか、現在住んでいる場所やDVなどの被害にあった場所を管轄する地方裁判所で申し立てができます。

申し立てるためには、上記で説明したどの保護命令を求めるかによっても提出する書類が変わってきます。

主に必要になる書類は、

  • 被害状況や経緯が書かれた書類(陳述書)
  • 被害の詳細が書かれた日記
  • 医療機関による診断書
  • 動画や写真、録音、メールなどの記録

などです。

被害が親族や職場まで及んでいる場合は、申立て人が書いた陳述書のほか、親族や同僚など被害にあった人の陳述書も必要になります。

保護命令は緊急性が優先される場合も多いため、十分な証拠がなくても諦めず、まずは弁護士に相談してみましょう。

保護命令に違反したら? 

保護命令が発令されても、加害者が迷惑行為を本当にやめてくれるか不安ですよね。

加害者が保護命令に従わなかった場合は、どのような罰則があるのでしょうか? 

保護命令に違反した場合は、DV防止法により「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の罰則が科せられると定められています。

また、保護命令を守らないと「保護命令違反」という犯罪が成立するため、警察も積極的に動いてくれるようになります。

元夫が保護命令に素直に応じるとは思えなくても、「警察が介入し、場合によっては逮捕もあり得る」という状況は抑止力に繋がるでしょう。

まとめ

離婚しても元夫からの被害に恐怖を感じているシンママは多いようです。警察などの力を借りて断ち切れることを祈ります。


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