シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

要注意!母子家庭だから保育料はかからない、と思っていませんか?

ライター 加藤良子

小学生の一人娘と完全に自分のことを人間だと思っているワンコと気ままな二人+一匹暮らしを楽しんでいるシングルマザーです。将来は日本を飛び出して二人で暖かい所に住むのが夢!シングルマザーならではの喜びや悩みを皆様と共有していきたいと思います

Photo ryoko kato

No.39 s nursery


「母子家庭だから保育料はかからない」と思っていませんか? 実は保育料は母子家庭だからといって必ず免除されるとは限りません。
今回は保育料についてご説明したいと思います。子どもが保育園に通い始める前に、チェックしておきましょう。

保育園の種類

最初に保育園の種類を確認しましょう。

認可保育園

保育士の人数、資格の有無、設備内容、保育内容などが国の定めた基準を満たしている保育園で、市区町村が運営する「公立保育園」と法人が運営する「私立保育園」があります。

公立と私立で保育料の違いはありませんが、保育内容には若干違いがあります。保育料は世帯の所得と子どもの年齢によって、市町村の定めた金額になります。

基本的な保育時間は7時半~16時で、延長保育は20時までという施設が大半です。

認可外保育園(無認可保育園)

国の定める基準を満たしていない保育園で、「認証保育園」「ベビーホテル」と呼ばれる施設のほか、企業や病院内に併設されている保育施設などがあります。

「認可外」という言葉に不安になってしまうママもいるかと思いますが、就労証明書が必要ない、保育時間が長いなど、メリットもたくさんあります。

24時間保育可能という施設もあり、シングルマザーにとっては利用しやすい保育園でしょう。

認定こども園

新制度が制定されたことによって増えたのが、幼稚園と保育園の両方の機能を持ち合わせた保育施設である「認定こども園」です。

都道府県によって定められている認定基準を満たした保育施設で、入園申込みや保育料は認可保育園と同じく各市町村によって定められます。

保育園の中には、仕事を辞めた時点で退園になってしまう園もありますが、認定こども園は親の就労事情に関係なく、入園してから就学前まで同じ環境で保育を受けることができるというメリットがあります。

小規模保育

新制度によって新しく制定された3歳未満の子どもを対象とした認可保育施設です。

名前の通り定員が6~19人の少人数制なので、アットホームな雰囲気の中できめ細かい保育が行われるという特徴があります。

保育ママ(家庭的保育)

家庭的保育事業という国の制度によって、個人宅で3歳未満の子どもを保育ママ一人に対して3人まで預かることができる施設です。

新制度ができてからは認可保育となったので各市町村の管理下にありますが、認可を受けていない保育ママの場合は直接申込みをします。

幼稚園との違い

もっとも大きく異なる点は保育時間です。幼稚園の場合、早い園ではお昼過ぎに終わってしまうので、フルタイムで働くことは厳しくなります。

また、土曜日は特別な行事がなければ基本的に休園で、行事のために土曜日保育があった場合は翌月曜日が休みになることもあります。

幼稚園にも公立と私立があります。保育料は年収によって異なりますが、生活保護を受けている世帯は免除になります。

生活保護を受けていない場合は最低3,000円~30,000円の月額負担が必要になります。

保育園とは違って給食の義務化はされていないので、お弁当が必要な日もあり、平日でも親が参加する行事などが催されます。

保育施設が増えてきたせいもあり、最近は「保育時間が長い」ということをアピールする幼稚園も増えてきています。

私が住んでいる地域はまさに幼稚園激戦区といえる地区のため、娘の通っていた幼稚園も比較的サービスが充実していました。

通常保育の場合のお迎えは16時まで、1回500円で18時まで預かってくれる延長保育や、長期休暇の預かり保育も可能だったので、シングルマザーの私は非常に助かりました

それぞれの保育料

認可保育園

子どもが生活している世帯全体が支払う住民税によって決まります。算定時期は4~8月、9~3月の2回に分かれていて、各自治体によっても違いがあるので、お住いの地域で確認する必要があるでしょう。

住民税が非課税の場合は保育料が免除になります。

実家に住んでいる場合は世帯全体の住民税が対象となるので、免除になる可能性は低くなりますし、場合によっては他の保育施設よりも高くなってしまうので注意が必要です。

認定外保育園の場合

認定外保育園の場合も施設ごとに保育料が異なりますが、一般的には保育料以外に給食、ミルク、オムツなどの料金がプラスされます。

認定保育園よりも保育時間が長いということもあり、保育料は高くなります。
自治体によっては保育料の上限が設定されていることもありますが、基本的には施設自体が料金設定をして、支払いも直接施設に行うので、入園前に調べておいた方がよいでしょう。自治体によっては補助金が出る場合もあるので、合わせて確認しておきましょう。

認定こども園、小規模保育、保育ママ(認可)の場合

基本的には認定保育園と同じです。保育料は国によって定められた上限に基づいて各自治体が考慮したうえで決定します。

認可保育園の保育料が決まるポイント

所得割課税額

住民税の一部に世帯全体の所得をもとに計算する「所得割課税額」があります。2015年度より、所得割課税額によって保育料が決まるようになりました。

以前は所得税をもとに決められていたので、自営業の方は保育料の算定のために役所に確定申告書を提出しなければいけない場合もありました。

所得割課税額の場合は、役所が把握しているので手続きが簡単になります。

自治体の予算

公立保育園を管理しているのは自治体です。
私立の場合は学校法人やNPO法人、社会福祉法人、民間企業などが運営していますが、大半は自治体から補助金が出ているので、保育料には自治体の予算が関係してきます。

「隣の市にある保育園と比べて保育料が数千円も高い!」という話はよく聞きます。シングルマザーになって引っ越す際は、保育料についてもリサーチをしておく必要があります。

子どもの人数

多くの自治体では二人以上の子どもが同時期に保育園に通っている場合、2人目から割引が適応されます。

子どもの年齢

保育士1人に対して0歳児は3人、1~2歳児は6人、3歳児は20人、4~5歳児は30人という人数基準が法律として定められています。

つまり、子どもの年齢が低ければ低いほど人件費がかかるため、保育料も高くなるということですね。

保育料は自治体によって異なりますが、3歳になると前年の半額以下になるというケースもあるようです。

保育時間

保育園を利用する時間によって保育料も異なります。

例えば、フルタイムで仕事をしているシンママの場合は「保育標準時間(最長で11時間)」、パートやアルバイトをしているシンママの場合は「保育短時間(最長で8時間)」になり、どちらに属するかによって保育料が変わります。

認可外保育園の保育料

厚生労働省から認可されていない「認可外保育園」は認可保育園に比べ補助金額が少ないため、保育料も割高になってしまうようです。

ただ、現在は待機児童の問題も深刻化しているので、認可外保育園にも同程度の補助金を出すことに積極的な自治体も増えてきています。

公立と私立の保育料の違い

「公立は認可保育園、私立は認可外保育園」というイメージがあると思いますが、認可保育園には公立と私立の両方があり、認可外保育園は全て民間運営になります。

保育料が安い順に並べると、

  1. 公立の認可保育園
  2. 私立の認可保育園
  3. 補助金有りの無認可保育園
  4. 補助金無しの無認可保育園

となります。

母子家庭と保育料の関係

保育料は母子家庭だからと言って免除や減額されたりするわけではありません。

保育料が免除になる母子家庭とは?

ひとり親世帯、生活保護を受けている世帯のうち住民税が非課税である世帯は、保育料が免除されます。

つまり、仕事をして収入を得ていても、各自治体が定めた金額以下であれば、住民税とともに保育料も免除の対象になります。

ただ、世帯全体の所得で住民税が決まるため、実家暮らしの場合は免除されず、保育料が高くなってしまう場合もあるので注意が必要です。

保育料が減額になる母子家庭とは?

ひとり親家庭の場合、年収が360万円未満相当であれば減額対象となります。

月収にすると約30万円までが減額対象になるので、アルバイトやパート勤務ではほとんどの方が該当すると思います。

子ども・子育て支援新制度

保育料について解説してきましたが、子どもが保育園に入園できなければ意味がありませんよね?

子育て中の家庭を支援するため、2015年4月に「子ども・子育て支援新制度」が制定されました。

保育施設に入る前に親が各自治体に認定申請を行い、子どもがどの認定区分(下記参照)に属するかによって利用できる施設が決まる、というシステムです。

一見、制限があるように思えますが、就労時間の水準が低めに設定されているので、パートタイムで働いている主婦でも保育園が利用しやすくなる可能性があり、シングルマザーにとっては仕事の選択肢が広がるというメリットがあります。

認定区分について
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/event/publicity/pdf/naruhodo_book_2804/a4_book3.pdf

子ども・子育て支援新制度の特徴

各自治体では、新制度で定めた方針に従い、子育てを支援するさまざまな取り組みを行っています。

「認定こども園」制度の改善

「認定こども園」は0歳~5歳児の保育を行う保育園ですが、3歳以上の子どもには4時間程度の教育活動が行われます。

親の仕事状況に関係なく、通い始めた時期から就学前まで通い続けることができるようになりました。

親は子どもの年齢によって仕事を変える必要がなく、子どもにとっては慣れ親しんだ環境から転園しなくてもいいというメリットがあります。

子育て支援の充実

親子が交流できる「子育てひろば」や、一時預かりの場、放課後児童クラブを増やすことが義務づけられました。

また、放課後児童クラブの対象年齢が小学3年生から6年生に拡大されたので、小学生の子どもを持つ親は子どもだけで留守番をさせるという不安から解消されました。

子どもの数によって保育料が軽減

幼稚園、保育園、認定こども園を利用する多子世帯の場合、2人目以降の保育料が軽減されます。

注目は「認定こども園」

保育園に子どもを入れることができなかった母親の「保育園落ちた日本死ね!」のブログが話題になったことを覚えていると思います。

仕事を持つ母親にとって、保育園に入れるか入れないかは非常に大きな問題。特にシングルマザーの場合は、叫びたくなる気持ちも理解できるのではないでしょうか? 

シングルマザーにとって、子どもの対象年齢も広く保育時間が長い保育園はありがたい施設です。

しかし、共働きの家庭が多くなり保育園に魅力を感じる家庭が増えたこともあり、待機児童が社会的な問題になっています。

このような状況を踏まえて設立されたのが「認定こども園」です。幼稚園に保育園の機能がプラスされた「認定こども園」が増えたことで保育園にこだわる必要がなくなりました。

認定こども園の方が、利用しやすい場合もあるため、保育園に入れなかったからといって恨み節を叫ぶ母親も減少するかもしれません。

認定こども園の問題点

待機児童の問題解決のために作られた「認定こども園」ですが、デメリットを受けている世帯もあります。

例えば、幼稚園として運営されていた施設が「認定こども園」になるケース。

片親が働いている世帯の場合の認定区分は「1号認定」、共働き世帯の場合は「2号認定」となりますが、1号認定の保育時間は幼稚園の時間帯で週20時間程度、2号認定の保育時間は保育園の時間帯で週40時間程度です。

保育料は所得によって決まるため、同じくらいの所得でも認定区分の違いによって、「利用時間が2倍近く長いにもかかわらず、保育料はほぼ同じ金額になる」という問題が指摘されています。

専業主婦の立場では「損をしている」と感じてしまうのも仕方がないでしょう。

保育園選びは慎重に

ひとり親家庭には色々な支援制度が用意されていますが、保育料に関しては「母子家庭であれば必ず免除される」というわけではなく、所得によって金額が決まります。

これから保育園を利用する方は、お住まいの地域で確認し他の条件とも照らし合わせて慎重に選びましょう。