シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

障害児を育てるシンママへ。仕事と介護の両立はどうする?

ライター 辻寿子

フリーライター歴22年、シンママ歴6年。一卵性双生児の息子は、長男が脳性マヒで車椅子。日本化粧品検定1級、サプリメントアドバイザー取得。結婚歴3回、死別→離婚→離婚の経験あり。

Photo hisako tuji

No52s

筆者には双子の息子たちがいます。一卵性双生児ですが、長男は脳性マヒで車椅子のため介助が必要です。

障害児を育てながら働くことの難しさを、実際の体験を通してお伝えしたいと思います。

※2017年3月時点の内容です。制度改正等に伴い変更になる場合があります。

障害児を抱えての仕事

介護の必要な障害児を育てていくのは本当に大変です。その上、仕事と両立させなければならないシンママは、どのようにしたらよいのでしょうか。

働きやすい仕事を探す

障害の種類にもよりますが、特に肢体不自由児は預け先を見つけるのが難しくなります。

子ども一人を大人一人が付きっきりで見なければならないため、普通の幼稚園や保育園では断られてしまうケースがあります。
また、療育センターは5歳になるまで母子通園が基本なので、働ける時間が限られています。

知的障害児の場合は、自分で歩ける場合は預かってもらえるようです。
ただ、保育園に通う中で、先生から発達障害など別の障害を指摘され「預かれない」と言われてしまうこともあるようです。

このように仕事との両立は難しくなりますが、家庭の事情や子どもの障害のことは就職先に相談するようにしましょう。

新たに就職先を探す場合は、ハローワークなどの担当者に事情を詳しく話しておくと、よい情報やアドバイスをもらえる可能性があります。

子どもが小学生になると、普通の小学校であっても特別支援学校であっても時間が取れるようになります。それまでの間は、パートタイムなどできる仕事をして生計を立てていきましょう。

詳細は後述しますが、障害児のための手当もあります。
しかし、手当に頼るばかりではなく少しでも働いておけば、きっと後々役立つでしょう。

実家やヘルパーさんに頼る

一番の問題は、子どもの預け先が限られていて家をなかなか空けられない、ということです。

実家に頼れる場合は、お世話になった方がよいでしょう。

また、障害児には介護福祉によるヘルパーさんを付けることができます。
手帳の種類や障害の重度にもよりますが、上手に利用して働く時間を確保しましょう。

地域の支援事業によっても異なりますが、ヘルパーさんは以下のような支援をしてくれます。

居宅介護 家を訪問し、食事や入浴、排泄、家事など生活全般にわたる援助、通院の介助
行動援護 知的障害や精神障害で常に介護が必要な場合、危険を回避するための援護、援助を行う
同行援護 視覚障害がある方の移動や外出時に同行して援護する
移動支援 介護者が同伴できない場合、区役所や病院への外出に徒歩や公共交通機関を使って付き添う
日中一時 介護者の事情によって一時的に介護できない場合、施設などで日中預かる

なお、支援を受けるためには、手帳の取得や役所での申請などが必要です。療育センターや役所の介護福祉課へ相談してみましょう。

障害児の手当

障害者が取得できる手帳は3種類で、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者福祉手帳」です。
障害の種類および重度によって等級が区分され、手当の内容も変わってきます。

特別児童扶養手当

障害者手帳を取得している障害児が受けられる手当で、20歳未満の精神または身体に障害のある子どもを家庭で育てている保護者や養育者などに支給されます。手帳の申請が必須なので、お子さんの障害に見合った手帳を取得しましょう。

ただ、受給には所得制限があり、扶養義務者の前年の所得が620万円を超える場合は支給されないこともあります。

支給月額は次の通りです。

1級:51,450円(身体障害者手帳1〜2級、療育手帳A)
2級:34,270円(身体障害者手帳3級または4級の一部、療育手帳B)

児童手当、児童扶養手当、特別児童扶養手当を合わせると、最高で月額約10万円(子ども一人の場合)が支給されます。

また、精神障害者手帳を取得している方には「特別障害者手当」が支給されますが、20歳以上の在宅障害者に対して支給されるものですので、20歳未満の障害児を扶養している親に支給されることはありません。

3種の手帳の違いは?

身体障害者手帳は、障害者のための福祉サービスや手当を受けるのに必要なものです。
車椅子に乗っていても、手帳がなければ、福祉サービスや手当を受けることはできません。等級は1〜6級まであり、1級が重度ということになります。

療育手帳は、知的障害者が一貫した指導や援助、相談を受けられるようにするために交付されるものです。
法律で定められた制度ではなく各自治体で発行しているため、居住している地域によって手帳の名前や制度が異なってきます。

精神障害者手帳は、精神保健福祉法で定められた制度で、精神障害、うつ病、そう病、てんかんなどが対象になっています。
発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、ADHDなど)も精神障害者手帳の対象になります。

複数の手帳を持つことは可能ですが、身体障害者手帳か療育手帳を持っていれば、精神障害者手帳で受けられるサービスがカバーされるので、精神障害者手帳を持つ必要はありません。

障害児を育てるシンママへメッセージ

どのような障害でも、介護を必要とする子どもを育てながら働くのは本当に大変です。
また、知的障害も、身体障害も、個々に病名が付いていても同じ症状ではなく一人一人抱えている問題が異なります。

外から見ただけではわかりにくいため、一緒に生活した経験のない人には、介護の大変さは理解しづらいでしょう。

筆者も、息子に障害があるとわかってはじめて、障害児の通う療育センターやリハビリ、福祉について知りました。世間の周知がないのは、仕方がないのかもしれません。

障害児は出かける時に送迎が必要で、肢体不自由の場合は介護に付いていなければならないことも多々あります。息子は保育園の5年間、母子通園でした。

離婚して仕事をせざるを得ない状況になり、非常に困難な局面も乗り切ってきました。
筆者の経験が障害児を育てていらっしゃるシンママの参考になればと思います。