シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

離婚・再婚 体験談シリーズ2 生活費の確保!仕事と手当はどうする?

ライター 辻寿子

フリーライター歴22年、シンママ歴6年。一卵性双生児の息子は、長男が脳性マヒで車椅子。日本化粧品検定1級、サプリメントアドバイザー取得。結婚歴3回、死別→離婚→離婚の経験あり。

Photo hisako tuji

No53s

子連れで離婚をすると、まずは生活費をどう確保するかについて考えなくてはなりません。今回は双子を抱えて離婚した筆者がどのように生計を立てていったのか、体験談を綴ります。

離婚前までの状態

筆者はフリーランスのコピーライターです。23歳の時にフリーになった後、仕事をずっと続けていました。
それまでに二度の結婚経験もありましたが、子どもがいなかったため、仕事を辞めることはありませんでした。

三度目の結婚は妊娠がきっかけでした。双子だったためドクターストップがかかり仕事を休むことに。
妊娠5ヵ月で切迫流産のために入院し、妊娠8ヵ月に入ったところで破水が起こったため出産しました。

子どもたちは、予定日よりも早く極低体重児として産声を上げました。生まれた時の体重は1227gと1099g。生まれた後も2ヵ月間は入院を余儀なくされました。

出産後の私は、「どうしても」と頼まれた仕事だけを引き受け完全な復帰はしませんでした。

1歳4ヵ月で長男が「脳性マヒ」と診断され、療育センターに通うことになりました。息子が通うことになった療育センターは、肢体不自由部門のため母子通園が必須でした。

付き添いが必要になったため、仕事に復帰することが叶わずにいた中、夫とうまくいかなくなり離婚することに。

離婚してから3年ほどは苦悩の連続でした。とにかく、お金のことでとても苦労しました。

仕事について

離婚してからは、何といっても安定した収入を得られるようになるまでが大変でした。
問題をどのように解決していったか、お話したいと思います。

子どもの預け先がない!

筆者はフリーランスだったため、仕事に復帰すれば今まで通りの仕事がいただけていたはずでした。

ところが、双子の兄は障がい児です。肢体不自由で大人一人が付きっきりで介護しなければならないため、保育園も幼稚園も預け先がありませんでした。

区役所に通ったり保育園ひとつずつに電話をしたりして、預かってくれる先を探しました。
自営業は、「子どもを見ることができるだろう」という考えから、保育園の優先順位が下げられるという点も非常に大変だったところです。

双子の弟は健常なので、離婚前から保育園に行っていたのですが(兄の介護のため自宅で保育できないという事由)、離婚したという事情を知っているその保育園でも、兄を預かることは難しいと言われました。

療育センターの母子通園は続けていましたが、思うように仕事を受けられないことで収入は乏しく、ギリギリの生活を送っていました。

毎月「来月はどうしよう」と、お金のやりくりのことばかりが頭を離れず、精神状態もよくなかったと記憶していますが、各種手当のおかげで、なんとかやっていくことができました。

兄の保育園も、車で20分以上かかる場所で兄弟で別々の保育園に通うことにはなりましたが、ようやく見つかりました。

足しげく区役所に通っていため、担当者が筆者のことを覚えてくれて「この保育園なら今空きがあるけど、どうね?」と、わざわざ連絡をもらえたのです! 

こうして、ようやく日中仕事をする時間が取れるようになったのです。

離婚から1年半の月日が流れていました。

仕事復帰したけれど・・・

出産前の筆者の仕事は、取材や打合せを元に執筆するスタイルでした。

ライターというと家の中で作業していると思われがちですが、実は半分以上は外に出て、打合せや取材を行っています。

ところが、長男は保育園の他に、週に一度のリハビリと、週に二度療育センターへ母子通園をしていたため、空いている時間が圧倒的に少なく、取材の仕事をなかなか受けられませんでした。

「二人の息子を保育園に預ければ仕事ができる!」と思っていた筆者の大きな誤算でした。

逼迫する一方の生活。ライターという仕事を捨てる覚悟もしました。

ショップ店員の採用面接を受けたこともありますが、「販売職なのに土日に出社できないのでは……」と断られました。もちろん時間的拘束のために正社員になることもできません。

「もはや、方法はないのか!」と悶々とした日々を過ごしました。

小学校に進学

小学校に進学する時も、長男は大きな問題に直面しました。肢体不自由だったため、市からは特別支援学校への進学という通知が来たのです。

しかし、筆者には、彼の能力と将来の自立を考えて「どうしても普通小学校の特別支援学級へ進学させたい」という思いがありました。

エレベーター付きの肢体不自由クラスのある小学校が居住区に1校だけあり、何度も話し合いを重ね入学を許可されました。その時は、涙するほど感謝しました。

学校への送迎はもちろん介助が必要な場合は筆者が学校に行って付き添う、という条件付きの入学でした。

弟は校区の小学校へ進学したため、小学校でも兄弟で別々の学校に通うことに。

保育園時代よりも日中の自由な時間は増えましたが、週に一度のリハビリは続けていました。

学校への送迎に加えてリハビリの付き添いは、仕事をするうえで大きな制約を受けることになり、以前のようにバリバリ仕事をすることは叶いませんでした。

そして、色々と悩んだ結果、仕事をシフトすることにしたのです。

仕事のスタイルを転換

インターネットを駆使して、在宅で収入のいい仕事を探しました。

プロとして長年積み重ねてきた実績があったことと在宅ワークの台頭で、時代とマッチしたのだと思います。数社と契約をして執筆していくうちに、徐々に仕事も増えていきました。

ただ、離婚後数年間の赤字が影響し、2年ほどは家計が厳しかったです。

毎日の送迎、学校で介助が必要な場合は付添い、リハビリやお稽古事に連れて行くことができるのも、フリーランスだったおかげだと今は思うことができます。

光の見えなかった仕事も、方向転換することで活路を見出すことができました。

児童扶養手当

筆者の場合は、離婚直後の就職も今までの仕事の再開も難しかったため、手当には本当に助けられました。

児童扶養手当の支給額

母子家庭でもらえる手当の代表である「児童扶養手当」は、収入により支給額が変動します。また、所得制限もあり、基準額以上の収入を超えると対象外となります。

支給対象児童数 全部支給 一部支給
1人 42,290円 42,280~9,980円
2人目の加算額 9,990円 9,980~5,000円
3人目以降の加算額 5,990円 5,980~3,000円

児童扶養手当の基準額は、扶養人数でも変わりますが、子ども一人の場合、全額支給は所得が57万円以下、57万円~230万円では一部支給、230万円を超えると対象外となります。

「所得」とは、給与収入ではなく、収入から給与所得控除などを差し引いた後の金額になります。また、養育費をもらっている場合は、養育費も収入として計算に入れなければなりません。
(※児童扶養手当の所得計算方法は特殊なので、詳細はお住まいの自治体でご確認ください)

手当を上手に活用しながら収入アップを

児童扶養手当はとてもありがたい制度ですが、手当を頼ってずっと生活していくのは非常に厳しいでしょう。また、子どもが18歳になった後の最初の3月31日までしか支給されません。

仕事(収入アップ)と子育ての両立は難しいと思いますが、支援制度を上手に活用しながら、しかし目先の所得制限に惑わされず、収入を増やす機会があれば、増やしていく方を選ぶことをおすすめします。

母子家庭で免除されるもの

ひとり親家庭では色々な免除制度も利用できます。

国民年金の免除

離婚して所得が大幅に減り、国民年金の保険料を納めることが難しい場合は、免除を受けることができます。

未納のまま放置すると、督促状がくるばかりか、最悪の場合は預金など財産を差し押さえられることもあるので注意してください。
状況や収入などの証明が必要になりますが、全額もしくは一部免除を受けることができます。

ただし、母子家庭だからといって必ずしも免除を受けられるわけではありません。
また、免除を受けた場合の将来受け取れる年金額は減額されます。

全額免除の場合は保険料の半分が国の負担になり、本来の半分の年金が支給されます。
将来の年金を少しでも増やしたければ、余裕ができた時に追納しましょう。

日本年金機構 保険料を納めることが、経済的に難しいとき
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

国民健康保険の免除

国民健康保険にも保険料の軽減・減免(免除)制度が用意されています。

国民健康保険 国保の軽減・減免
http://5kuho.com/html/keigen.html

交通機関の割引

ひとり親家庭では、交通機関の割引などを受けられることがあります。地域や各社によって異なるので、お住まいの地域で各交通機関に問い合わせてみましょう。

例)JRでは、児童扶養手当を受けている人を対象に割引を実施しています。

その他の減免制度

自治体によっては、水道料金、保育料などの減免制度や住宅助成金を受けられる場合があります。お住まいの自治体で確認しましょう

筆者の体験から

離婚直後、困窮していた我が家は、年金と国民保険の免除を受け各種手当も全額いただいていました。

完全在宅ワークに切り替え、障がい児の介護をしながらもしっかり仕事ができるようになってからは、収入が安定したため、手当に頼らずとも親子3人、なんとか生活できるようになってきました。

ただ、子どもたちを大学へ行かせることを考えると、収入への不安はまだまだ尽きません

収入をできる限り増やし賢く貯蓄していくことは、本当に大切なことだと痛感しています。

それぞれの事情の中で、できることを見つけながら少しでもお金の心配をしないで生活できることは、シンママにとってとても大事なことです。

子どもの預け先、仕事の確保は必須だと言えますが、手当や助成制度を上手に使ってしっかり生計を立てていかれることを、心から応援しています。