シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

養育費って離婚後に取り決めることもできるの?

ライター オイカワユキコ

小学生の娘と暮らすシングルマザー。「幸せになるために離婚した」をモットーに、個人事業主としてライター・役者・イベントコンサル・シュガーアーティスト・国際交流のNPO など多方面で活動中。

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色々な事情から養育費の取り決めをせずに離婚してしまった方もいらっしゃるでしょう。
養育費はシングルマザーにとって重要な問題。今回は、「養育費は離婚後にも主張できるの?」ということも含めて確認したいと思います。

養育費とは?

養育費の定義

養育費とは、自立していない子が成長していく上で必要な経費(生活費、教育費、医療費など)のことです。

離婚後も実父と子の血縁関係は消えないので、親として子どもを扶養する義務があります。子どもを養育しているシングルマザーは元夫に養育費を請求することができます。

民法では「養育費」という項目で明記されていませんが、扶養義務や血縁に関する民法から総合して、養育費を払うのは「生活保持義務」であると考えられています。

つまり、子どもの生活を保持するため「元夫の生活と同程度の生活を子どもに保障すべき」ということをシングルマザーは元夫に主張できるということです。

養育費の実情

養育費の受け取り率

厚生労働省の等調査結果報告によると、離婚した父親からの養育費の受給を「現在も受けている」世帯は、平成13年17.7%、平成18年19%、平成23年19.7%となっており、いずれの調査年でもかなり少ないことがわかります。

調査年 取り決めをしている 現在も受けている
平成13年 34.0% 17.7%
平成18年 38.8% 19.0%
平成23年 37.7% 19.7%

平成23年度全国母子世帯等調査結果報告
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/

養育費滞納の理由

離婚時にきちんと養育費の取り決めをしたのにも関わらず、未払や徐々に振込遅延になっていくケースが多々あります

「収入が下がった、無職になってしまった」という場合なら仕方がないとも思えますが……、養育費滞納者の中で年収200万円以下の男性は2割程度とされており、「支払い能力がなく支払えない」というわけではないようです。

離婚直後は子どもへの愛情や責任を感じていたのに、年月が経つにつれて毎月の振込みが面倒になっていく元夫。

「お金をおろすのを忘れた。来月まとめて払う」など、約束もルーズになりがちです。
シンママ側も催促するストレスから次第に諦めて消滅していく、というパターンが多いようです。

面会に関しても、段々と間隔が空いていったり面会をキャンセルされることが増えていきます。
子どもとの面会を定期的に続け子どもの成長を見守ることで、元夫も「父親」としての責任や子どもへの愛情を感じ続けることができるかもしれません。

養育費の未払を防ぐことにも繋がるのであれば、子どものスケジュール調整など面会交流の協力も大切な作業となります。

養育費の平均相場

「どのくらいの金額を養育費として請求できるの?」というのがシングルマザーの最も知りたいところですよね。

民法には明記されておらず、個々の事情によっても変動するため「支払い方法、期間、金額などを両者の話し合いによって決める」ことになります。

ただし、それでは困るため、相場の参考となる「養育費・婚姻費用算定表」があります。
子どもが3人までのケースではこの算定表で確認することができます。

子ども:一人で0~14歳、シンママ:専業主婦で無収入、元夫(支払い側):サラリーマンの場合、下記のようになります。

元夫の年収 養育費
300万円 2~4万円
500万円 4~6万円
700万円 6~8万円
1000万円 10~12万円

東京家庭裁判所 養育費・婚姻費用算定表
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

子どもが4人以上の場合

子どもが4人以上の場合は算定表には記載されていませんが、養育費を自動計算してくれるWEBサイトもあります。「養育費の目安を知りたい」という方は試してみてください。

養育費の目安金額計算機
http://www.lega-tech.com/youikuhi/

養育費の離婚後請求

離婚後に「養育費なしでは子どもを育てられない」となった場合、民第880条を基に離婚後でも元夫と養育費の取り決めを協議することも可能です。話合いが成立しなかった時は、家庭裁判所に養育費分担請求調停の申し立てを行います。

民法 第八百八十条  扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html

養育費が支払われない場合の対処法

口約束や二人の間で簡単な文書を作っただけという場合は、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し込み、養育費の支払いについて改めて決め直すことになります。家庭裁判所できちんと取り決めをしていると、履行勧告、履行命令、強制執行の手段を執れます。

履行勧告

申し出るところ
調停や審判を担当した家庭裁判所。
電話のみで依頼することも可能。

費用
無料

内容及び効力
家庭裁判所が電話などで支払いの勧告を行う
法的強制力はなく、あくまでも促すのみ。相手が無視しても罰則はない。

履行命令

申し出るところ
調停や審判を担当した家庭裁判所

費用
500円

内容及び効力
家庭裁判所が、一定の期限を定めて支払いするように命令する。
命令に従わない場合、10万円以下の過科が処せられる。ただし、法的強制力はないので支払いを強制することはできない。
また、過科は命令に従わないことに対してのペナルティとして裁判所に支払うもので、シンママにはお金は入らない。

※履行命令を執る型はレアケースになるようです。

強制執行

申し出るところ
支払い義務のある方(元夫)の住所地を管轄する裁判所(地方裁判所)

費用
執行費用(約1万円)

内容及び効力
強制的に相手の財産を取り上げ、養育費を支払う。
元夫がサラリーマンの場合、将来の養育費に関しても給与から定期的に支払ってもらうことも可能です。

まとめ

いかがでしたか? 「養育費をきちんともらえていたら……」と悩んでいるシングルマザーは多いと思います。離婚後でも養育費の取り決めを協議することはできるので、困っている方は検討してください。