シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

シングルマザーに人気の仕事ランキングと収入アップの方法

ライター 山木三千代

キャリアカウンセラーとして年間1,000人以上のシングルマザーの就職をお手伝いしています。私自身も4人の子育てと仕事を両立させながら収入をあげるため、多くの転職を経験。そのノウハウをお伝えします。

Photo mitiyo yamaki

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シングルマザーが仕事をしながら子育ても楽しむには、どのような仕事を選択し、どう働いていけばよいのでしょうか?

シングルマザーの就業状況

現在、日本のシングルマザー(母子世帯)は120万世帯を超えています。その中で働いているシングルマザーは80%を越えており、就業率だけみると先進国の中でも高い数字になっています。

ただ、シングルマザーは非正規就労が多くなっています。

母子家庭の正規雇用率は43.0%、非正規雇用率は57.0%で、父子家庭の正規雇用率87.1%、非正規雇用率12.9%と比べると大きな違いがあることがわかります。

同じ世帯主という立場であることを考えると、シングルマザーが厳しい状況にあることを表しているデータではないでしょうか?
必然的に収入が低くなり、母子家庭の平均年収は181万円。父子家庭の360万円の約半分です。

その大きな要因として、「仕事と子育ての両立」が日本では難しいことが挙げられます。シングルマザーなら一度は感じたことがあるのではないでしょうか?
シングルマザーだけの問題ではありませんが、家庭に大人が一人しかいないので子育ての負担が大きくなることは事実です。

特に子どもが小さい間は、働ける時間が少なくなる傾向にあります。保育園・学童などのお迎えがあるのはもちろんですが、シングルマザーにも「子どもとの時間を少しでも多く取りたい」という希望があるからでしょう。

また、お子さんの急な発熱や学校行事などで休まなければいけないことが多く発生します。この場合も実際にどうかというより、シングルマザーが「会社や周りの人に迷惑をかけたくない」「休みたいと言いにくい、言えない雰囲気」と感じ、融通が利きやすい非正規を選ぶ原因になっていると考えられます。

厚生労働省 ひとり親家庭等の現状について
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000083324.pdf

シングルマザーに人気の仕事

一家の大黒柱として働くシングルマザーにはどのような仕事が人気なのでしょうか? 他のシングルマザーはどのような仕事をしているのでしょうか?

「シングルマザーのための就職フェア(日本シングルマザー支援協会主催)」でのアンケート結果をみていきましょう。

シングルマザーの前職と現職

  1. 一般事務:約35%
  2. 営業事務:約8%
  3. 営業、アパレル販売:約7%

4割強の方が事務職に就いていますが、非正規を選ぶ理由と同じように「時間や休日が子どもとの時間に合わせやすい」と考えているシングルマザーが多いためと推測できます。

次に「営業」と「アパレル販売」が同率で続きます。二業種とも独身時代から続けていた仕事を出産後も家族の協力を得ながら続けている方がほとんどでした。

希望する仕事

  1. 一般事務:約35%
  2. 営業事務:約17%
  3. 医療事務:約10%

事務職は人気も高く実際に働いているシングルマザーも多い職種となりますが、転職希望者が一番多いとも言えます。

事務職で就業している方が、より良い条件の事務職を求めて転職することが多いようです。
その結果、一般事務の正社員は競争率がとても高くなり、条件の良い求人には一人の採用枠に50~100名の応募があることも珍しくありません。

では、転職成功者が多いのは、どのような職種なのでしょうか?

正社員での転職成功事例

  1. 介護職
  2. 営業職
  3. ドライバー職

となっています。

人材不足と言われている業界での正社員就業は成功しやすい傾向にありますが、シングルマザーに限らず女性には人気のない職種であると言えるかもしれません。

しかし、女性の活躍を最も望んでいる業界でもあります。介護職を筆頭にどの業界も女性が働きやすい施策、シングルマザーに優しい環境を準備しようと試行錯誤中です。

希望者の多い人気の職種と実際に就職しやすい職種に大きな溝があるのは事実です。このギャップを埋めるためには、シングルマザーが働く理由を改めて考えることが必要になります。

シングルマザー 子育てと収入アップのバランス

転職の相談で一番多いのは「給与が安い」ことです。
お子さんが小さいうちは何とかなりますが……、教育費がかかるようになると不安が大きくなり、転職を考えるシングルマザーが多くなります。

人気の高い事務職は全体的に給与が低めに抑えられています。パート・アルバイトでは最低賃金に近い時給になります。これでは子どもとの生活は難しくなります。

前述のアンケートでは事務職に転職したい方の希望条件も聞いていますが、そのベスト3は

  • 社会保険完備
  • 18時までに退社
  • 土日休み

となっています。
シングルマザーの大半が希望している内容だと思いますが、この条件は事務職でなくても叶えられる場合があります。また、事務職でも土日の出勤や残業はあるものです。

では、子育てをしながら収入アップをする方法はあるのでしょうか?

まずは、仕事と子育ての両立の考え方を少しだけ変えてみましょう。

お子さんが本当に小さい間は仕方ありません。収入を上げることよりも、仕事をしながら子育てする環境を整える期間にしましょう。

お子さんが4歳を過ぎたら収入アップを本格的に考え始める時期です。
ママとの時間も大切ですが、子どものコミュニティや人間関係形成のために離れている時間を少しずつ増やしていって大丈夫です。

ここで大切なのは、ママがお子さんに罪悪感を持たないこと。

ママが子を「可哀そう」と思っていては、どんなに大切に育てていても本当の意味で自立した人間に育たないのではないか? と多くのシングルマザーを見ていて感じています。

シングルマザーが一生懸命働くのは子どものためです。子どものために働くことに罪悪感をもつ必要はないのではないでしょうか?

毎日夜中まで残業しようと言うことではありませんが、仕事をしっかりしながらも、子どもと一緒に生活を工夫していくことができる年齢になってきます。

また、ママが完璧である必要はありません。

困ったり悩んだりしながら、子どもに助けてもらいながら働いていきませんか? 働く時間と内容を少しずつ少しずつ充実させていけば、収入は確実にアップできます。1~2年ではなく、3年、5年、10年先を考えるようにしましょう。

そのために今できることは、未来のために働くこと。

目の前の時間や休みを重要視するのではなく、できる範囲で将来性のある仕事を選択していきましょう。

例えば、介護職であれば、日曜休みや夜勤のない施設もあります。資格がなくても働ける会社も多くあります。
未経験から思い切って介護職に転職して年収が2倍近くになった、という方も実際にいます。

営業職にも、小さな子どもを育てながら続けられる仕事や会社は多くあります。

私が就職をお手伝いしたシングルマザーは、子どもが小さいので「できる範囲で営業活動をする」と決めて働いています。効率を考えて働かなくてはいけないので、時間が短くても他の方と同じ売り上げを保てているそうです。

最後に

人気の仕事は、どちらかというと大きな負担がないかわりに収入も限りがあります。

子どもはあっという間に大きくなり、手がかからなくなると今度はお金がかかるようになってきます。近い将来、収入アップは待ったなしの課題になります。

そのためにも幅広い選択肢で考えられるようにしておきましょう。
無理をする必要はありませんが、「少し背伸びをすれば届くくらいの目標設定」をするのがよいでしょう。

貴女とお子さんの未来は、貴女の選択で決まります。多くのシングルマザーとその子どもたちに明るい未来を拓くために、少しずつ働きやすい環境をみんなで作っていけるといいと思いませんか? その一歩を一緒に踏み出す仲間に、この記事が届くことを祈っています。