シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

離婚・再婚 体験談シリーズ3 子どもの預け先 待機児童になってしまったら?

ライター 辻寿子

フリーライター歴22年、シンママ歴6年。一卵性双生児の息子は、長男が脳性マヒで車椅子。日本化粧品検定1級、サプリメントアドバイザー取得。結婚歴3回、死別→離婚→離婚の経験あり。

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仕事をするシングルマザーにとって子どもの預け先を確保することは、最優先事項の一つ。
ただ、シングルマザーという理由で必ず認可保育所に入れるとは限りません。特に、年度中途からの入所は非常に難しくなります。
今回は、2年にわたる「保活」の経験を持つ筆者が待機児童対策をお伝えしたいと思います。

預け先を見つけるまでの長い道のり

筆者には双子の息子がおり、彼らが3歳の時に離婚しました。
長男は脳性マヒを患っており介護が必要なため、2歳の頃から次男を保育所に預けることに決めたのですが、当時は結婚しており自営業ということであえなく落選。

障害のある長男は親子通園になるため、どうしても次男を保育園に預けなければなりませんでした。家から少し遠い第二希望の保育所ならすぐに入所できると教えてもらったので、第一希望の保育所への希望は取り下げず待機状態にしたまま第二希望の保育所へ通うことになりました。

運よく第一希望の保育所に空きが出て、同年8月には第一希望の保育所に転所できましたが、その後離婚して本格的に仕事に復帰しなくてはならなくなっても、脳性マヒを患っている長男を保育所へ預けることは困難を極めました。

待機児童問題の現状

厚生労働省は「待機児童解消加速化プラン」を実施し、平成25〜27年の3年間で新たに約31.4万人の保育受け入れ枠を確保したと発表しています。

ところが、「待機児童が減った」と実感している方は少ないようです。まずは、待機児童の現状を確認して、対策を練るヒントにしましょう。

ここでは、シングルマザーの預け先として最適な「認可保育所」についてみていきます。

厚生労働省 保育所等関連状況取りまとめ(平成28年4月1日)及び「待機児童解消加速化プラン」集計結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000135392.html

どうして待機児童が多いの?

少子化問題が大きな課題になっているのに、どうして待機児童が多いのでしょうか? 

待機児童が多い理由の一つには、女性の社会進出、共働きの増加などが挙げられており、シングルマザーに限らず子どもを保育所へ預けたい人が昔と比べて多くなったということでしょう。

また、子どもの預け先には保育所や幼稚園など数種類ありますが、費用や子どもの年齢、預かってくれる時間などから、多くの人が「認可保育所」に預けたいと希望するために、待機児童が増えているという現状があります。

政府が保育所を増やそうとしても、騒音など住民の反対により建てられないという問題もあるようです。

なお、子どもの預け先の種類や費用についてはこちらの記事を参考にしてください。
保育園と幼稚園どちらを選ぶ?費用と預かり時間を比較!

待機児童の割合

厚生労働省の資料によると、待機児童の86.8%が0~2歳の低年齢児となっています。
産休育休が明けたらすぐに働きたい女性が多いことに加え、低年齢児の預け先がないというのが実情でもあるようです。

また、首都圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)、近畿圏(京都、大阪、兵庫)と他の政令指定都市や中核市の待機児童が待機児童全体の74.3%を占めています。

都市部は保育園を増やしたくても増やせない事情があること、子どもを預けて働きたい人が多いことが挙げられるでしょう。都市部は思っている以上に、認可保育園は狭き門ということになります。

厚生労働省 保育所等関連状況取りまとめ
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603_2.pdf

認可保育所入所への道のり

認可保育所とは、国が定めた設置基準をクリアし、都道府県知事によって「認可」された保育所のことです。保育料は収入によって決定されるため、所得が一定以下であれば他の預け先より安く預けられるのが特徴です。

だからこそ希望者が多く待機児童も増えるのですが、認可保育所に入所するには他にも色々な条件があります。
認可保育所に入所するために必要な「保育の必要性の認定」とその後に行われる「選定」についてもあわせて確認していきましょう。

認可保育所入所申込みの流れ

申込みは一年中できますが、4月からの入所が圧倒的に多いため、年度途中からの入所は非常に難しくなっています。申込み時期を逃してしまうと「また来年」ということにもなりかねないため、申込みの流れをしっかり押さえておきましょう。

  • 10〜11月
    翌年4月入所希望の申込み受付開始(各自治体の保育課へ提出)
  • 2〜3月
    選考結果通知
  • 内定の場合
    三者面談や健康診断など入所に関する準備や手続き、4月に入所
  • 落選の場合
    後述の「認可保育所に落選したらどうする?」を参考にしてくださいね。

保育所への入所申込みが開始されるまでに保育所に直接連絡をして、見学などの日時について確認しましょう。保育士の対応、施設、カリキュラムなどをしっかり見ておくことも大切です。

認可保育所入所の条件

児童福祉法施行令27条によると、認可保育所に入所する条件として、保育の必要性の認定を受ける必要があります。

その条件とは、

  • 昼間労働することが常態である
  • 妊娠中、または出産直後である
  • 保護者に疾病、もしくは負傷、または精神や身体に障害がある
  • 同居の親族を常時介護している
  • 震災、風水害、火災などの復旧に当たっている
  • 上記に類する状態である

とされています。
この場合の「労働」とはパートや夜間労働、自営業や在宅勤務なども含みます。
また、最後の項目には、求職活動や就学、虐待やDVのおそれがある場合、育児休業取得時にすでに保育を利用しており、継続利用が必要な場合などが含まれます。

つまり、両親がいてどちらか一方だけが働いている場合や、祖父母など同居の保護者がいる場合は、条件に当てはまらないとされています。

選定の優先順位

認可保育所は、条件該当者をランクや点数をつけて評価し入所者を決定します。条件を満たしていても落選する可能性があるということですね。

では、選定会議で優先される条件は何でしょうか?

  • ひとり親家庭
  • 生活保護世帯(就労による自立支援につながる場合等)
  • 生計中心者の失業により就労の必要性が高い場合
  • 虐待やDVのおそれがある場合など社会的養護が必要な場合
  • 子どもが障害を有する場合
  • 育児休業明け(就労先が決まっている)
  • 兄弟姉妹(多胎児を含む)が同一の保育所等の利用を希望する場合
  • 認可保育所に入れずやむを得ず認可外保育所へ行っていた場合

などが主に優先的に入所を認められる家庭です。
※市区町村によって条件が異なることがあるので、お住まいの自治体の保育課に確認してみましょう。

内閣府 保育の必要性の認定について
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_11/pdf/s1-1.pdf

認可保育所へ入所できる確率を上げるには?

減点ポイントをチェックする

シングルマザーは優先順位が高いはずですが、子どもの年齢や入所する年など状況によって受け入れ枠が変わるので油断はできません。下記の条件に該当する場合は特に注意しましょう。

  • 実家で祖父母と同居している
  • 自営業や在宅勤務
  • 近所に子どもを保育できる親族がいる
  • 居住していない市町村へ申請した(職場の近くなど)
  • 申請内容に虚偽がある
  • 内定をもらったのに辞退したことがある

役所へ直接足を運ぶ

申込みの時だけでなく、直接役所へ行って担当者と話をしましょう。前述したような、点数が下がってしまう条件があっても、事情を話すことで情報や対策を聞くことができます。

減点されそうなポイントがあっても、備考欄などを使って詳しい事情を書いておけば、減点の対象となりにくくなるようです。また、倍率が低く入りやすい保育所などを教えてもらえば、第二希望や途中入所を希望する際にも役立つでしょう。

申立書を提出する

筆者は、1回目の認可保育所入所の申込み時は、役所へ申込書を提出しただけでした。フリーランス(自営業)であったために「家で子どもの面倒を見られるでしょう」という理由で落選しました。

区役所に駆け込んで、フリーランス(自営業)とはいっても、取材や打合せに一日の半分以上は外に出ていること、時間は相手に合わせるため、自分の自由にはならないこと、障害のある兄弟がいることなどを説明すると、「では、申立書を書いてください」と言われたのです。

申立書の存在すら知らなければ、申込み時に事情を知ってもらうこともできません。決定が出てからではその決定を覆して第一希望の保育所に入れてもらうことはできないのです。

なお、保育園申請書の書類の中に申立書がに含まれていることもあり、申込み時に嘆願書(入園希望理由欄の別紙)を添付するというケースもあるようです。
地域によっても異なるようなので、申込みをする時に「申込用紙だけでは内情を書ききれない場合、申立書や嘆願書も提出した方がよろしいでしょうか?」と窓口で相談するのが確実だと思います。

認可保育所に落選したらどうする?

シングルマザーでも、実家で両親と同居している、就労時間が極端に短い、もしくは自営業である場合などは認可保育所に入れないケースもあります。落選してしまった場合は、どのようにすればよいのでしょうか?

不服申立てをする

不服申立てとは、保育所の「不承諾通知書」に書かれているように、落選の結果に納得できない場合に行政庁へ不服を申し立て、その再審査を請求することができる公的に認められた権利です。

不服申立てを行ったからといって入所が認められるわけではありませんが、「保育園に入れなくて困っている」ということを行政に伝えることにもなります。

保活激戦区から引っ越す

前述の資料からもわかるように、保活激戦区は都心部に集中しています。少し離れれば待機児童がいない地域もあると思うので、通勤や子どものその後の進路も考えて引っ越しを考えるのもいいでしょう。

特に、シングルマザーになるのが年度の途中である場合、都心部では中途入所は非常に難しくなります。離婚を機に引っ越しを考えているなら、待機児童のいない地域を選択することも一つの方法でしょう。

認可保育所以外の預け先

待機児童の多い地域では認可外保育園の希望者も多いため、速やかに対応するようにしましょう。

筆者の保活 ~保活失敗とその後~

筆者が保活に失敗してからその後についての筆者の経験を、みなさんとシェアしたいと思います。

保活で失敗した理由

今振り返ると、筆者が落選した理由は事前にまったく保活をしていなかったためだと感じます。
障がい児がいて親子通園が必要であり、次男を保育できない理由を申込みをする時に全く伝えていませんでした。

保育所入所落選とその後

落選後は、区役所に何度か足を運び、担当の方に細かく事情を話して申立書を提出しました。「申立書があるのなら、早く言ってよ!」と思いましたが、手遅れです。この時点で優先順位が高いことがわかっても、第一希望に割り込んで入れてもらうことはできませんでした。

そこで、第一希望の優先順位が上から何番目かを役所で教えてもらいました。4月からの通園が「絶対に必要」だったため、通所可能で空きのある保育所を教えてもらい、再申込み時の第一希望にしたのです。そして、最初に第一希望にしていた保育所は待機状態のままにしてもらいました。

保活をする上で大切なこと

ひとり親家庭でも、特に父母と同居していたり祖父母が近所に住んでいる人や自営業の人は注意が必要です。申込み時に「どうしても認可保育所に預かってもらう必要がある」という事情を伝え優先順位を上げることが大切になります。

申込み時に「求職中」であっても認可保育所への申込みができますが、実体験としては、「すでに就業先が決まっている、または育休中である人が強い」という印象を受けました。
「預かってもらえないから働けない」「仕事をしていないから預かれない」という押し問答もよく区役所で耳にしました。

保活をするにあたって理不尽なことに直面することもあるかと思いますが、その点も含めて言うべきことは正当な方法できちんと伝えましょう。認可保育所は保育所が入所を決定するわけではないので、地域の役所へ足を運ぶことにも意味があります。

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