シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

家計を助ける母子父子寡婦福祉資金 特徴や内容を知りたい!

ライター 加藤葉子

女性とシングルマザーのお金の専門家として、全国の女性よりお金の相談を受けているファイナンシャルプランナー。行政主催のマネー講座や女性ファイナンシャルプランナーの養成などでも活動中。シングルマザーで一児の母。

Photo yoko kato

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「大きな出費が必要な時はどうすればいいの?」一人で家計を支えているシングルマザーにとって、特に入学金や大学の授業料などは悩ましい問題だと思います。

そのような場合は「母子父子寡婦福祉資金」を活用できないか確認しましょう。面談も必要になるため、面倒に感じてしまうと思いますが、この制度を利用しているシングルマザーも大勢います。

今回は、「母子父子寡婦福祉資金」について詳しくご紹介したいと思います。

無利子・低金利が特徴

母子父子寡婦福祉資金はシングルマザーなどひとり親家庭に必要な資金を貸し付ける制度です。「母子父子寡婦福祉資金制度」と呼んでいる自治体もあります。

返済時の負担軽減のため「無利子」であることが魅力です。さらに、連帯保証人要件が緩和され、連帯保証人のない場合は有利子になりますが、貸付が認められるようになりました。有利子の場合でも民間のローンと比べ低金利であることが特徴です。

母子父子寡婦福祉資金には12種類あり、自治体によって貸付しているものとそうでないものがあります。実施状況に関しては、お住まいの自治体で確認してくださいね。

12種類の資金の概要

先にも述べたように母子父子寡婦福祉資金には12種類あります。
どのような理由であればお金を貸してもらえるのか? と疑問に思う方もいらっしゃると思うので、概要を一覧にまとめました。

事業開始資金 事業を開始するために必要な資金
事業継続資金 現在営んでいる事業を継続するために必要な資金
就職支度資金 就職する際に直接必要な資金
医療介護資金 医療または介護を受けるために必要な資金
技能習得資金 事業を開始または就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金
生活資金 1.知識技能を習得している間の生活に必要な資金
2.医療・介護を受ける間の生活に必要な資金
3.母子家庭または父子家庭になって7年未満の世帯の生活を安定・維持する間(生活安定期間)に必要な資金
4.失業期間中の生活を安定・継続するのに必要な資金
就学支度資金 就学、修業するために必要な資金
修業資金 事業を開始または就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金
結婚資金 児童又は扶養する20歳以上の子の婚姻に必要な資金
修学資金 高校・大学、高等専門学校又は専修学校に就学させるために必要な資金
転宅資金 住宅を移転するため住宅の賃借に際し必要な資金

まとまったお金が必要になった方は、お住まいの自治体で母子父子寡婦福祉資金の貸付制度が利用できるかを早めに確認しましょう。

子どもの教育費の強い味方

「子どもの学費をどうしよう……」と、高校生と大学生の二人の子どもを育てるシングルマザーが不安を感じながらも「母子父子寡婦福祉資金」を借りることでこの苦境を乗り切った、という例もあります。

地域により違いはありますが、子どもの教育費のために母子父子寡婦福祉資金を借りるシングルマザーが多いようです。

兵庫県の場合、「就学支度資金」として高校や大学などの入学に必要なお金を下記限度額まで借りることができます。
なお、実際にいくらまで借りることができるかは、面談後に決定されます。

就学支度資金の貸付限度額(兵庫県の場合)

学校種別 自宅通学 自宅外通学
高等学校・専修学校(高等課程)
専修学校の一般課程は国公立の金額
国公立 150,000円 160,000円
私立 410,000円 420,000円
大学・短期大学
高等専門学校・専修学校(専門課程)
国公立 370,000円 380,000円
私立 580,000円 590,000円

教育費関連では、子どもの授業料のために借りることができる「修学資金」もあります。

また、日本学生支援機構などの奨学金も考えている方もいらっしゃると思いますが、複数機関から借りる場合は併用可能かどうか必ず確認しましょう。

出典元:兵庫県WEBサイト 母子・父子福祉資金貸付金の申請について
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf12/documents/shugaku2016_2.pdf

対象者は?

貸付の対象者は自治体によって異なりますが、兵庫県を例に詳しくみていきましょう。

  • 母子家庭の母
  • 父子家庭の父
  • 寡婦及び40歳以上の配偶者のない女子(婚姻をしたことのない独身の方は含みません)

また、就職支度資金・修業資金については母子家庭の母または父子家庭の父が扶養する児童、寡婦が扶養する子(就職支度資金は除く)、父母のない児童(20歳未満)にも貸付が行われています。

こちらに関しても自治体によって異なるため、詳細はお住まいの自治体に確認してください。

申請の手続き方法

母子父子寡婦福祉資金制度はありがたい制度なのですが、忙しいシングルマザーの場合、申請の手続きに注意が必要です。

基本の手続き

  1. お住まいの自治体の「母子父子寡婦福祉資金制度」の窓口に相談
  2. 母子・父子自立支援員などによる面談
  3. 面談の結果にもとづく審査
  4. 審査が通れば、貸付申請

必要な書類

  • 貸付申請書
  • 給与証明書
  • 連帯保証人に関する書類
  • 在学証明書 など

面談後から審査が通るまでどのくらいかかるかは自治体や申請状況によって異なります。必要な方は早めに相談しましょう。

大学の入学金に母子父子寡婦福祉資金を利用したい場合は、給付が間に合わない可能性もあります。
母子・父子自立支援員に受験・試験・合格発表などのスケジュールをあらかじめ伝えておくとよいでしょう。間に合わなかった時の対策を教えてもらい「なんとか大学の入学金を振り込めた」というシングルマザーさんもいます。

まとめ

母子父子寡婦福祉資金制度はあくまでも貸付金制度であるため、借り受けたお金を返済できるかどうかも考えなくてはなりません。

今回は、母子父子寡婦福祉資金制度についてご紹介しましたが、教育費については日本学生支援機構の「給付型奨学金制度」もあります。
日本学生支援機構の給付型奨学金がスタート!

また、収入の確保のための資格取得については他にも支援制度があり、市町村の広報などで掲載されることもあります。

母子家庭を支援する制度は複数あり同時に利用可能な場合もあるので、他の制度と一緒に上手に活用しながら生活に役立ててください。