シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

シングルマザーの意味は?シングルマザー事情についても知りたい

ライター 加藤良子

小学生の一人娘と完全に自分のことを人間だと思っているワンコと気ままな二人+一匹暮らしを楽しんでいるシングルマザーです。将来は日本を飛び出して二人で暖かい所に住むのが夢!シングルマザーならではの喜びや悩みを皆様と共有していきたいと思います

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シングルマザーの意味、改めて考えたことはありますか? 離婚をして母子家庭になったママだけが「シングルマザー」ではありません。

今回は、シングルマザーになった理由や生活状況をご紹介したいと思います。この先シングルマザーとして生きていく上で参考になると幸いです。

シングルマザーの意味 

「二人の子どもと暮らすシングルマザーです」というような自己紹介。もしかしたら間違っているかもしれません……。

シングルマザーの本来の意味とは?

そもそもシングルマザーとは、「子どもの父親である男性と婚姻関係がないまま出産をした女性」を指す言葉です。

欧米での「シングルマザー」の定義は、日本で言うところの「未婚の母」です。「結婚はしたくないけれど子どもは欲しい」という女性が精子を購入して、体外受精で出産をするケースも含まれます。

このため、離婚や死別で一人になった場合は「single parent(シングルペアレント)」と言われることも多くあります。

シングルマザー 現在の意味

今の日本で、私たちが使っている「シングルマザー」という言葉にはもっと多くの意味が含まれています。理由はどうであれ女性が一人で子どもを育てていれば「シングルマザー」になります。

「シングル」は英語で「独身」を意味する言葉でもあるので、本来の意味であるシングルマザーはもちろん、離婚や死別によって子どもを一人で育てている女性も全部含めてシングルマザーと呼ばれるようになったのでしょう。

なお、「シングルマザー」という言葉に明確な定義はありません。

日本にも様々な事情で一人で子育てをしている女性がいますが、精神的にも経済的にも大変であることがフューチャーされているという状況もあります。
一人で子育てをする女性に対する否定的なイメージを払拭するために「シングルマザー」という言葉が多用されるようになったのかもしれませんね。

シングルマザーと母子家庭

「シングルマザー」以外にも一人で子育てをしている女性を指す言葉はありますよね? 微妙なニュアンスの違いをみていきましょう。

母子家庭

シングルマザーは一人で子育てをする女性を指す言葉ですが「母子家庭」とはシングルマザーと20歳以下の子どもがいる家庭のことです。つまり「シングルマザーの家庭=母子家庭」ということですね。

「母子家庭」はシングルマザーになった経緯などは関係なく、母親と子どもだけの家庭全般に対する名称です。母親ではなく父親が一人で子どもを育てている場合は、父親自身のことを「シングルファーザー」、家庭のことを「父子家庭」になります。

「母子家庭」という言葉もなんとなく幸薄いイメージが先行しがちなので、シングルマザーから派生した「シングル家庭」というワードを選ぶ人もいます。

母子世帯

「母子世帯」には少し堅い響きがありますが、定義は「母子家庭」と変わりません。母親と20歳以下の子どもがいる世帯、つまり「シングルマザーの世帯」ということです。

離婚して実家で暮らしている場合でも、両親と生計が別であればあなたと子どもは「母子世帯」です。
他の例では、寮には同じ建物内に数人が生活していますが、生計は別になるのでそれぞれが「世帯」になります。なお、夫婦であっても別居して生計が別々の場合は別世帯になります。

ひとり親

「ひとり親」は「ひとりの子どもを持つ親」ではなく「親が父親か母親のひとりだけ」であることです。「ひとり親」家庭とはその名前の通り、父親か母親のどちらかひとりだけが子どもを育てている家庭です。

「単身家庭」と言われる場合もありますが、母子家庭、父子家庭の行政上の呼び名は「ひとり親家庭」です。

ただ、「ひとり」という表現は寂しいイメージが強く、手続きで「ひとり親」家庭という文字を目にすると「気分が滅入ってしまう」、という意見も多いようです。

シングル

「シングル(single)」には「独りの」「独身の」という意味が含まれおり、パートナーがいない女性全般を指す言葉です。

ママ友などにシングルマザーであることを伝える場合は、「私離婚してるの」「夫は亡くなったんです」と言うよりも「私シングルなの」と言った方が余計な気を使わせずに済みます。それに、スマートですよね?

ただ、恋愛中のシングルマザーは注意が必要です。「彼氏がいる」場合は、「シングル」とは言えないので気をつけてくださいね。

シンママ

「シンママ」は一番新しくできた単語で、シングルマザーの略語です。特に若い世代では色々な言葉が略される傾向にあります。シングルマザーになる年齢も年々若年化しつつあることから、自分のことを「シンママ」と呼ぶ女性が増えたという背景が考えられます。

「シングルマザー」はどちらかというと「苦労をして子どもを育てています」というようなマイナスイメージが先行しますが「シンママ」はキャッチーで前向きなイメージが強いですね。

母子家庭でも強く生きるママたちの思いが現れていて、今までよりもたくましいシングルマザー像を想像できる言葉です。

シングルマザーの状況 

シングルマザーの推移

2000年:86.8万人、2005年:107.2万人、2010年:108.2万人と、シングルマザーの数は増加傾向にあります。

108.2万人中母子世帯は69.9%の76万人、母子以外に他の世帯員がいる世帯は30.1%の33万人。「他の世帯員」の9割は祖父母、つまり実家で生活しているということです。

シングルマザーになったときの年齢

シングルマザーになった時点での平均年齢は33.0歳。年齢別の状況は以下の通りです。

  

シングルマザーになったときの子どもの年齢

シングルマザーになった時点での末子の年齢は以下の通りです。
平均年齢は4.7歳。シングルファーザーの場合の6.7歳と比べて1.5歳低い年齢となっています。

シングルマザーになった理由

シングルマザーになる主な理由は、「死別」「離別」「未婚」です。

離別が一番多く、全体の80.6%を占めています。未婚のままシングルマザーになった人12.2%、死別7.5%と続きます。

18年前の平成5年に比べると、離別:約15%増、未婚:約3%増、死別:約17%減となっています。

死別、離婚、未婚による違い

シングルマザーが納税する場合、一定の条件を満たすと「寡婦控除」という所得控除を受けることができます。控除額は通常で27万円、特定の寡婦と認められた場合は控除額が35万円に増額されます。

控除を受けることができればその分課税対象額が安くなり、納める税金額も安くなるので、シングルマザーにとってはありがたい制度ですね。

ただし、「寡婦」というのは法律上の「夫」が存在していたものの、死別や離婚によってひとり親になった場合で、再婚していない状態の女性を指す言葉です。

つまり、未婚のまま子どもを産んだ場合は寡婦控除の対象とはなりません

なお、未婚の母という形を取ることが増えてきているという背景もあり、未婚のシングルマザーに寡婦控除の「みなし適用」をする自治体も増えてきています。

シングルマザーの就業状況

平成23年度のシングルマザーの就業率は80.6%であり、平成18年度の84.5%に比べて3.9%低下しています。ただし、不就業率はほとんど差がなく、シングルマザーの就業状況は決して悪化しているわけではないことがわかります。

就業状況と最終学歴の関係をみてみると、中卒がやや低めではありますが、高卒・大卒・短大卒・専門学校卒ではほとんど差が見られません。学歴に左右されるという問題はあまりなさそうですね。

シングルマザーの収入状況

平成22年度のシングルマザー自身の平均収入は223万円(勤労収入は181万円)、母子世帯の平均年収は291万円。

子どもがいる一般世帯の平均年収は658.1万円であるため、水準がかなり低いことがわかります。また、父子世帯の平均年収455万円と比べても、母子家庭の平均年収の値は明らかに低い数字となっています。

なお、シングルマザーになった理由によって収入に違いが生じます。
離婚・未婚が理由の場合はあまり変わりませんが、死別では少し収入が高くなっています。死別の場合、遺族年金や生命保険の収入が影響すると思われます。

シングルマザーの住宅状況

平成18年度と平成23年度のシングルマザーの住居状況は以下の通りです。

平成18年度 平成23年度
持ち家 34.7%
(うち本人名義10.9%)
29.8%
(うち本人名義11.2%)
公営住宅 15.0% 18.1%
公社・公団住宅 2.7% 2.5%
借家 30.4% 32.6%
同居 7.9% 11.0%
その他 9.3% 5.9%

賃貸物件に住んでいる家庭が全体の半分以上となります。
平成18年度と平成23年度のデータを比較すると、一番大きな違いは同居が18.1%から11.0%に減少した点であることがわかります。補助金などのひとり親に優しい制度が充実したことが読み取れます。

父子家庭の場合は持ち家が66.8%で、全持ち家家庭のうち本人名義が40.3%を占めています。

出典元:
総務省 シングル・マザーの最近の状況(2010 年)
http://www.stat.go.jp/training/2kenkyu/pdf/zuhyou/single4.pdf

厚生労働省 ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/dl/h23_03.pdf

厚生労働省 ひとり親世帯になった理由別の世帯構成割合
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/dl/h23_02.pdf

国税庁 寡婦控除
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1170.htm

厚生労働省 調査時点における親の就業状況
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/dl/h23_08.pdf

厚生労働省 ひとり親世帯の平成 22 年の年間収入
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/dl/h23_17.pdf

厚生労働省 住居の状況
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-katei/boshi-setai_h23/dl/h23_06.pdf

最後に

シングルマザーになった背景には様々な事情がありますが、子どもを育てるために最善を尽くしているのはすべてのシングルマザーに共通していると思います。

シングルマザーの貧困が社会問題となっていますが、就業状況や住宅状況からは、徐々にではあるものの制度が整ってきていることがわかりました。

「シングルマザーとして生きていく中で、自分が何を最優先にすべきか?」

シングルマザーとしてこのような選択を迫られる場面は必ず訪れます。楽しい人生を送るためにも、今回ご紹介したようなデータを参考にして皆さんの意見をお聞かせください。