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児童扶養手当の支給日 支給月が2ヵ月に1回に変わる!?

ライター 加藤葉子

女性とシングルマザーのお金の専門家として、全国の女性よりお金の相談を受けているファイナンシャルプランナー。行政主催のマネー講座や女性ファイナンシャルプランナーの養成などでも活動中。シングルマザーで一児の母。

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シングルマザーにとっての命綱と言われる児童扶養手当。現在は年3回、4ヵ月ごとに支給されていますが、「厚生労働省が2ヵ月ごとの支給への変更を検討している」との報道がありました。

今回は、児童扶養手当の支給額、支給日、計算方法、所得制限などについて確認していきましょう。

児童扶養手当の支給額と支給日

月額 全部支給 一部支給
児童1人の場合 42,290円 42,280~9,980円
児童2人目の加算額 9,990円 9,980~5,000円
児童3人目以降の加算額(1人につき) 5,990円 5,980~3,000円

児童扶養手当は扶養義務者の所得と扶養している児童の人数に応じて、全部支給、一部支給、全部停止(未支給)の3種類に分類されます。

「物価スライド制」が採用されているため、支給額は毎年調整され、4月にその年度の金額が公表されます。

児童扶養手当の申請を行うと、児童扶養手当認定通知書または児童扶養手当支給停止通知書(全部又は一部を支給しない場合)が届きます。

手当が認定されると、請求日の属する月の翌月分から支給開始となります。

児童扶養手当の支給日

児童扶養手当は年3回、4ヵ月分がまとめて支給されます。
支給月は4月、8月、12月で、前月分までが請求者の指定した口座に振り込まれます。支給日は、10、11日(土・日・祝の場合は直前の金融機関営業日)が多いようです。
※振込前の通知は届かない地域が多いため、通帳に記帳して確認しましょう。

児童扶養手当と家計イメージ(単位:万円)

<モデルケース>
給与・養育費:毎月15万円
児童手当:2月、6月、10月に4万円(月1万円を4ヵ月分)受給
児童扶養手当:4月、8月、12月に16万円(月4万円を4ヵ月分)受給

出典元:大阪市 児童扶養手当
http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000002395.html

八尾市 児童扶養手当制度
http://www.city.yao.osaka.jp/0000001300.html

児童扶養手当の所得制限

児童扶養手当の支給対象者になるかどうかは、所得をベースに判断されます。

所得制限限度額(平成14年8月1日以降)

扶養親族等の数 母、父又は養育者 孤児等の養育者、配偶者、扶養義務者の所得制限限度額
全部支給の所得制限限度額 一部支給の所得制限限度額
0人 19万円未満 192万円未満 236万円未満
1人 57万円未満 230万円未満 274万円未満
2人 95万円未満 268万円未満 312万円未満
3人 133万円未満 306万円未満 350万円未満
4人 171万円未満 344万円未満 388万円未満
5人 209万円未満 382万円未満 426万円未満
特例加算 老年者扶養10万円
特定者扶養15万円
老年者扶養6万円
(当該老人扶養のほかに扶養親族がいないときは、当該老人扶養親族のうち1人を除く)

※扶養義務者とは、申請者と同居の18歳の3月31日を超えている直系血族および兄弟姉妹

一生懸命働くシングルマザーにとって所得制限は気になると思います。

児童扶養手当の所得の計算方法

児童扶養手当の所得の計算方法は少し特殊で、児童扶養手当受給者と子どもが受け取る養育費の8割が所得に加算されます。

所得額=年間収入金額-必要経費(給与所得控除額等)+養育費の8割-8万円(社会保険料相当額)- 諸控除(下表参照)

[諸控除一覧]

寡婦(寡夫)控除 27万円 配偶者特別控除 当該控除額(最高33万円)
特別寡婦控除 35万円 雑損控除 当該控除額
障害者控除 27万円 医療費控除 当該控除額
特別障害者控除 40万円 小規模企業共済等掛金控除 当該控除額
勤労学生控除 27万円

(注)母による受給の場合は、寡婦控除、特別寡婦控除は適用されません。また、父による受給の場合、寡夫控除は適用されません。

「年間収入金額-必要経費(給与所得控除額等)」は給与所得者であれば、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」となります。
自営業やパートなどを複数掛け持ちし確定申告をしている場合は、確定申告書類の「所得金額の合計」となります。

なお、児童扶養手当では、

  • 1~6月に申請:前々年の所得
  • 7~12月に申請:前年の所得

が対象所得となります。

「一部支給」の計算方法は?

上記の計算方法により算出された所得が「所得制限限度額表により扶養親族などの人数ごとの所得制限を超え、一部支給限度額未満の場合」は、一部支給になります。

一部支給手当額の算出方法(月額)

  • 1人目
    42,280円-{(受給者の所得額-所得制限限度額)×0.0186705}
  • 2人目
    9,980円-{(受給者の所得額-所得制限限度額)×0.0028786}
  • 3人目以降
    5,980円-{(受給者の所得額-所得制限限度額)×0.0017225

(上記{ }内の部分の額については、10円未満四捨五入)
※計算の基礎となる42,280円、9,980円、5,980円は固定された金額ではありません。物価スライド制の適用により、改定される場合があります。
※受給者の所得額は、「児童扶養手当の所得の計算方法」をご覧下さい。
※所得制限限度額は、「所得制限限度額表」の「母又は父、養育者」欄の「全部支給の所得制限限度額」の金額です。(扶養親族等の数に応じて、限度額が変わります)
※所得制限係数である0.0186705、0.0028786、0.0017225は固定された係数ではありません。物価変動等の要因により、改定される場合があります。

出典元
荒川区 児童扶養手当
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kosodate/hitorioya_josei/teate_josei/fuyoteate.html

大阪市 児童扶養手当
http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000002395.html

八尾市 児童扶養手当
http://www.city.yao.osaka.jp/0000001300.html

申請手続き

児童扶養手当の申請には認定請求書の提出が必要となります。受給資格があったとしても請求しないと支給されないため、まずは請求手続きを行いましょう。

申請に必要な書類

  • 児童扶養手当認定請求書(様式)
  • 請求者と対象児童の戸籍謄本または抄本
  • 世帯全員の住民票
  • 課税証明書 など

[注意点]

  • 上記の書類は一例です。申請に必要な書類は、申請者の状況や自治体よって異なります。お近くの市役所などへお問い合わせの上、不備のないように揃えておきましょう。
  • 証明書は発行より1ヵ月以内のものが必要になります。日付を確認しましょう。
  • 平成28年1月からマイナンバーの利用開始に伴い、手続きの際にマイナンバーの記入と提示が必要になっています。番号確認書類(通知カードや、個人番号の記載された住民票の写しなど)、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)を準備しておきましょう。
  • 1~6月に申請を行う場合は、前年の1月1日時点に住民登録がされていた役所で前々年度分の課税証明書を発行する必要が生じます(6月以降申請分は前年度)。他市区町村へ転居された場合は注意が必要です。
  • 同居している扶養義務者の証明も求められる場合もあります。

現況届

児童扶養手当を受けている人は毎年8月に「児童扶養手当現状届」を提出しなければなりません。この申請に基づき、子どもの監護状況や前年の所得などを確認したうえで、8月分以降の手当額が決定します。

一部支給停止

手当の支給開始月から起算して5年、または支給要件に該当した月から起算して7年を経過した時は手当の一部が制限されます。
ただし、雇用証明などの減額除外書類の提出により、従来どおりの支給となるので、提出書類を忘れずに持参し、申請手続きを行いましょう。

大阪府 児童扶養手当 手続きについて(請求)
http://www.pref.osaka.lg.jp/kateishien/teate/jifu.html#L6

西東京市 児童扶養手当
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/kosodate/teate_zyosei/jidoufuyouteate.html

児童扶養手当の改善

児童扶養手当と公的年金などの併給制限の見直し

以前は公的年金などを受給する方は児童扶養手当を受給できませんでしたが、平成26年12月以降、年金額が児童扶養手当額より低い場合、その差額分を受給できるようになりました。
※「公的年金など」=老齢年金、遺族年金、障害年金など

2019年度に開始? 支給回数の見直しの動き

冒頭でも触れましたが、児童扶養手当の支給回数を年3回から6回に見直す動きがあり、2019年度にも開始される可能性があります。

年3回の支給では、支給月と支給がない月の間で家計の収入のバラツキが大きいですよね。
2ヵ月ごとの支給となれば、家計の管理や計画もしやすくなるでしょう。今後の制度改正にも注目しましょう。

東京新聞 児童扶養手当 年3回→6回 厚労省検討、19年度にも
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017081402000122.html