シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

子持ちママの転職は難しいの?成功させる転職方法とは

ライター 山木三千代

キャリアカウンセラーとして年間1,000人以上のシングルマザーの就職をお手伝いしています。私自身も4人の子育てと仕事を両立させながら収入をあげるため、多くの転職を経験。そのノウハウをお伝えします。

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シングルマザーが自立に向かって進んでいく途中で、多くの方がぶつかる壁。それが「転職」という壁かもしれません。

子持ちママの転職は難しい?

給料よりも時間や休日、融通が利くかどうかを中心に考えていた働き方も、お子さんの成長とともに家庭のニーズが変わってきます。

「もう少し収入をアップしたい」「正社員で働きたい」「将来の不安を解消したい」などのご相談を実際に多く受けます。

転職を考えた時、子どもがいることがネックになっていると思ったことはありますか? 多くのシングルマザーは、「子持ちであること」が転職に不利になると感じているようです。

本当にそうでしょうか? 20代で独身の女性や子育てがひと段落したキャリアウーマンと比べると確かに難しいかもしれません。

ただ、それはあくまで比較した結果であって、貴女自身の価値とは関係ないことに気づいてください。子育て中の貴女の強みを活かせる転職活動をしましょう。

子持ちママの転職状況

就職支援会社が自社のデータに基づいて発出している資料が参考程度にあるようですが、実際に転職した人が「子持ちかどうか?」の公式なデータはありません。

職業相談を受けていて感じるのは、女性の多い職業と女性の少ない職業があるので一概には言えませんが、女性の多い職業では子育て中の女性も多く採用されているようです。

私がお手伝いしている就職支援会社では、企業の方から「子どものいる女性を採用したい」とのご要望を受けることも増えています。

  • 時間に制約があるので効率的に仕事をこなすことを考える
  • 他の人への配慮がある
  • シングルマザーは世帯主なので仕事への取組み姿勢が真面目で真剣
  • 子育てを経験している方は忍耐力があるように思う
  • 一生懸命なので、周りの社員によい影響を与える

シングルマザーを雇用してくださった企業の担当者からいただいた声です。シングルマザーは様々な企業で部署で活躍しています。

転職活動の場面ではあまり感じないかもしれませんが、実際の働く現場ではとても重宝される大切な人材となっています。

転職活動のチェックポイント

転職する前に考えておきたいこと

まず、希望条件をまとめましょう。
絶対に譲れない条件はなんですか? この条件を考える時の大切なポイントは「譲れない条件とできないことは違う」ということです。

「えっ、どういうこと?」と思われた方も多いのではないでしょうか。一緒に考えてみましょう。

譲れない条件(例)

  • 保育園がお休みで頼れる人も近くにいないので、日曜日は休みが希望
  • 子どものお迎えに間に合わないので、通勤は1時間圏内で間にあうことが条件

できないこと(例)

  • 苦手なのでパソコンを使わない仕事が希望
  • 子どもと一緒にいる時間を優先したいので土日祝日は休みが希望

違いがわかるでしょうか?

「譲れない条件」というのは、自分の頑張りや考え方を変えるなどでは、どうにもならないこと。国の法律から変えてもらわないと無理! というような条件です。

「できないこと」は、自分の意識や思考の変化や頑張りで解決策がみつかるもの。
ただし、それぞれの考え方や価値観があるので自分を変化させることが絶対必要、ということではありません。自分を変化させない選択は譲れない条件にもなります。

「譲れない条件」は、その部分にこだわらず上手に回避して諦めましょう。「できないこと」は、できる方法を見つけましょう。

「色々な条件や希望をできるだけ叶えたい」そう思うのは当然ですし、欲張ることももちろん大切です。

ただ、その前に希望する条件を細かく細かく分析しましょう。
自分にとって大切な理由がわかってきます。大切でないポイントも意外と見えてきます。深く割り下げることで、「自分に本当に必要な条件」を見い出すことができるのです。

子持ちママという理由だけで、不採用になることはありません。それに付随する状況が会社の希望に見合わなかっただけです。その条件に合わなければ、独身女性でも男性でも不採用になっているはずです。

色々な制約があるのは確かですが、「企業が求めているのはそれだけではない」ことも多々あります。

自分に制限を付けるのではなく、しっかりと考えて見つめて今までの振り返りを行うと、転職活動が楽になると思いますよ。

会社の選び方と面接での確認方法

会社を選ぶときは、子育て中のママが多くいる会社がやはりよいでしょう。この点に関しては、面接できちんと確かめる方法が一番確実です。

  • 子育て中のママはどのような働き方をしているのか?
  • 前任者は独身女子だったのか子育てママだったのか?
  • 今回採用する人にはどのような働き方を期待しているのか?

このような質問を受けて顔が曇るような面接官のいる会社は、どれだけ条件がよくてもお勧めしません。

会社が応募者を選り分けるように、応募する側も会社を選びましょう。

選考書類の書き方

子持ちママであることを記す欄は履歴書にありません。ただ、配偶者欄と扶養家族数の箇所からシングルマザーであることは伝わるでしょう。

「シングルマザーであることを明記しなければいけない」ということはありません。
記載しても問題ありませんが、状況として書くだけで要望として書かないようにしましょう。

  • 子どもがいるので残業はできません
  • 保育園がお休みなので日曜は働けません

というように、できないことを先に書いておいた方がよいと思われがちですが、それは面接で伝えましょう。

また、履歴書に記載するなら、できることを書きましょう。

  • 子どもがいますが○○時までであれば業務ができます
  • 休日出勤は土曜日であれば可能です

この方が印象がグッとよくなります。

転職活動を妨げるているのは?

転職を難しくしているのは、実は貴女の恐怖心なのです。

  • 新しい環境に慣れるだろうか?
  • 仕事が覚えられるだろうか?
  • 待遇が悪くないだろうか?
  • もし、ダメだったらどうしよう?

考えれば考えるほど、不安や恐怖は増えていきます。そんな状態では、何をどうしたって上手くいきません。

採用される人を見ていて感じることは、「難しいことをあまり考えない」ということです。

ただ、目の前のことに集中してクリアしていきます。

ひとつひとつ確認しながらも決して遅くなく焦らず地道に活動を続けいくと、ある日突然というか当然のように、採用通知を受け取るようです。「意外とあっさり決まった」このような感想をよく聞きます。

最後に

「できるか、できないか」の判断をするときに、できない理由ではなく「できる方法はないか」考えましょう。

「難しい、できない」と思っている気持ちが前に進む力の妨げになってしまうのはもったいない、と私は感じています。

人間は基本的に安全を求めるので、できない理由が先に浮かんでくると諦めてしまうようです。そのできない理由が解消されたと思ったら、また次のできない理由が……。

そのような無限ループに陥りそうになったときは、自分ができることから少しずつでよいので、強みを探していきましょう。
その壁を乗り越えて、一歩踏み出したシングルマザーを多く見てきました。その方たちは、しっかりと自立した生活を手に入れています。

お金をたくさん稼ぐということではなく、自分自身の価値観に合った生活をされています。そんな未来が貴女にも届いてほしいと思っています。