シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

母子家庭の求人 働きやすい仕事を見つけるポイント

ライター 山木三千代

キャリアカウンセラーとして年間1,000人以上のシングルマザーの就職をお手伝いしています。私自身も4人の子育てと仕事を両立させながら収入をあげるため、多くの転職を経験。そのノウハウをお伝えします。

Photo mitiyo yamaki

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「母子家庭の求人状況は?」そして、「母子家庭の母が働きやすい仕事とは?」と多くの方が関心を持っているのではないでしょうか?

今回は、シングルマザー(母子家庭)が働きやすい仕事を上手に探す方法をお伝えしようと思います。

母子家庭の求人状況と仕事探し3つのポイント

現在、多くの業界で人材不足が深刻な問題となっています。母子家庭かどうかは別として、仕事を探している方にとっては、就職状況は決して悪くありません

ただ、「シングルマザーに優しい企業」に絞って探すのはとても難しいですよね。

求人票や募集要項には記載されていません。限られた情報の中から、どうように読み解くのか? どこから感じ取るのか? がわかると求人情報を見る目が変わってきます。

仕事探しのポイント

母子家庭だからこそ、「働きやすい職場にこだわりたい」と思っている方が多いと思います。
こだわりポイントはたくさんあると思いますが、それぞれの状況やお子さんの年齢によって変わってきます。

自分に合った企業の求人を探す3つのポイントをご紹介します。

1.会社の状況を調べる

求人情報を探す際、募集要項に記載されている条件は確認すると思いますが、会社の社員構成なども見るようにしましょう。特に小さな会社の場合、女性の人数は大切ですね。女性一人しかいない会社もまだまだあります。

2.キャリアコンサルタントに聞く

ハローワークや人材紹介会社の担当者は、企業の情報をオフレコで持っています。
親しく話せる紹介担当者は強力なサポーターです。良い情報をもらえるような関係を構築しておいてください。

3.自分の目標を定める

自分の未来の働き方をしっかり構築しましょう。そして、書き出してみてください。

3年後、どのようになっていたい?
5年後、どのような働き方をしていたい?
10年後の年収は? 

など、未来を決めておくことはとても大切です。

優先順位別のポイント

3つのポイントにお子さんの年齢やママの優先したい条件も加えて、情報収集先を分けて考えることも必要になります。

1.子どもが小さいので子どもとの時間やお迎えなどが優先

お子さんが小さくて長時間労働を避けたい場合、収入よりも条件重視で選択していく必要があります。
子育てママ向けの情報が多く集まっている紹介会社や子育てママ優遇の求人案件を探しましょう。

2.子どもが大きくなってきた、または手伝ってくれる人がいるので収入優先

子育てママ施策より、女性活躍施策を実施している企業やそのような案件を多く取り扱っている人材紹介会社を利用してみましょう。

シングルマザーの仕事に強い人材紹介会社を探すのも一つの方法です。シングルマザーの紹介のみを取り扱っている会社は多くありませんが、少しずつ増えてきている傾向にあります。

シングルマザーを積極的に採用・活用している企業

子育てサポート企業認定には、「くるみんマーク」「プラチナくるみんマーク」、女性活躍推進の企業認定には「えるぼしマーク」のように国が認定したマークを掲げている企業もあり、ある程度の基準を満たしているのでわかりやすい指標になっていますね。

母子家庭については同じような制度は残念ながらありませんが、上記のマークがある企業は働く女性に対しての施策を持っているので、母子家庭だからではなく働く母に対して優しい面があるかもしれません。

マークの認定制度とは異なりますが、厚生労働省が「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」を毎年実施しています。

平成28年度は株式会社ヨシケイ石川(石川県金沢市)が受賞しました。

ニュースではあまり取り上げられないので知らない方も多いと思いますが、このような表彰を受けている企業もあります。ぜひ、仕事探しの参考にしてみてください。

一般の求人情報に母子家庭のための施策があるかどうかを記載しているものはあまり見かけないので、求人情報だけでなく会社のWEBサイトなどから情報を集めることも必要だと思います。

厚生労働省 平成28年度「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」受賞企業決定
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000155542.html

シングルマザーを積極雇用している企業例

和倉温泉「加賀屋」 石川県七尾市

老舗旅館の加賀屋さんは、シングルマザーを積極的に採用している会社の代表格でしょう。

保育園も兼ねた母子寮があり、親子で安定した生活がおくれるように環境を整えてあります。それによって、旅館の生命線とも言われる客室係が安心して仕事に専念できサービス向上につながる、と社長の小田氏は考えたそうです。

保育園の開所時間は朝6時半から夜11時まで。小学生には学童も準備されています。働く女性のステップアップもしっかりしているので、頑張れば収入アップもできるようです。

10年以上働いている女性が多くいるのもうなずけますね。

健康食品の通販会社「えがお」 熊本県熊本市

健康食品の通販会社えがおさんは、ひとり親施策を立上げシングルマザーを積極的に採用する企業努力をされている会社です。

子育て中の従業員のために保育園を社内に建てたり、子どもの行事に対応しやすいようなシフト勤務を実施したりと、働く女性にとって優しい企業です。

シングルマザーのための施策を新たに作り、全国から受け入れを開始しました。

他の都道府県から転居を伴って就職されたシングルマザーには、6年間の家賃補助や保育園、学童の提供をしています。

社員食堂は夜まで営業しており、お惣菜が200円程で購入できます。買って帰れることで、家事の軽減にも繋がるように工夫されています。

社長の北野氏は「子どもの病気などの突発的な欠勤や呼び出しに対応できないような会社はだめだ」との信念の方。その考え方が現場に浸透しているので、子どもの用事での遅刻・早退・欠勤は特別なことではなく受け入れられています。

女性の役職者も多く、スキルアップやキャリアアップ施策もしっかりとしています。



一例をご紹介しましたが、シングルマザーのための施策を実施している会社も増えてきています。

和倉温泉 加賀屋
https://www.kagaya.co.jp/

老舗旅館加賀屋 シングルマザーは戦力、保育園付き母子寮完備
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-613173/

株式会社えがお
https://www.241241.jp/company/

仕事のチャンスを掴むには?

良い情報や案件にめぐり合った時、シングルマザー側の考え方や意識によってチャンスを掴める方とそうでない方に分かれます。

それは、たった一つ。「変化できるかできないか」それだけです。

「そんな遠くへ引っ越すなんて無理」「そんな仕事はやったことがないからできない」と考える方がとても多いと感じています。

ご自身の選択が何より優先されるので、その選択も間違いではありません。

一方で、同じ情報を聞いて、東京から転居して実際に就職された方もいます。

知らない土地への子どもと二人での引越し、不安だったと思います。未経験の仕事だったので「私にできるでしょうか」とも話されていました。

シングルマザーのための施策を実施している企業さんは全部受け止めてくださいました。一緒に不安を減らす努力もしてくださいました。私たち紹介側も全面的にお手伝いしました。

そして何より、ご本人が変化することを恐れず不安を抱えながらも積極的に行動されました。そして無事、初めての土地での生活をスタートしました。「未来が楽しみです」と言える転職は、大成功なのではないでしょうか?

シングルマザーの良いところは「どこに住むか?」「どこで働くか?」を自分の意志で決められること。自分自身に人生の決定権があるって素晴らしいことです。

母子家庭と仕事

シングルマザーにとって働くことは重要ですよね。
そして、自分と子どもの未来を変えるのは、仕事の満足度と大きな関連があると思います。貴女が何を選択するかで、未来は大きく変化します。

シングルマザーを必要としている企業や地域が多くあることをシングルマザーに知ってほしいと思っています。
この情報が一人でも多くの変化を恐れず前進するシングルマザーの選択肢を増やし、背中を押すきっかけになると嬉しく思います。