シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

もしもの時に慌てないために 傷病手当金と高額療養費をチェックしておこう!

ライター オイカワユキコ

小学生の娘と暮らすシングルマザー。「幸せになるために離婚した」をモットーに、個人事業主としてライター・役者・イベントコンサル・シュガーアーティスト・国際交流のNPO など多方面で活動中。

Photo yukiko oikawa

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健康保険、子ども医療制度、ひとり親医療制度について、みなさんと一緒に勉強してきました。
「マル親医療証」を持っていれば、万が一入院することになっても保険内の治療、薬、入院費の負担が大幅に軽減、最大で無料になる、ということはわかりました。

ただ、大黒柱であるシンママにとっては、働けない間の収入も心配ですよね。

今回は、「全国健康保険協会(協会けんぽ)」を例に「傷病手当金」と「高額療養費」についてお伝えしたいと思います。

傷病手当金

会社からお給料をもらっている被保険者(シンママ)が病気で仕事を休む間、有休を使い切ってしまうと、その後は十分な給料がもらえなくなりますよね。傷病手当金は、その間の生活に困らないよう支給されます。

支給額は?

給与の約2/3が支給されます。

支給期間は?

支給開始から最長1年6か月です。

注意点としては、「1年6か月分支給される」ということではない、というです。

仕事復帰はできたけれど同じ病気やケガでまた仕事に就けなくなってしまった場合は、復帰中も1年6か月という期間に含まれます。

復帰中は給与が発生するので、実質支給はありません。ただし、復帰中の給与が傷病手当金より低い場合は、差額分が支給されます。

1年6ヶ月を超えてしまうと、仕事復帰できなても支給されません。

支給の条件は?

1.業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

  • 保険内治療か保険外治療科は関係ありませんが、病気とみなされないもの(美容整形)などは対象外
  • 労災保険が給付される業務上の事由、通勤災害は対象外

2.仕事に就くことができないこと

  • 休む人の仕事の内容を踏まえて会社の「療養担当者」の見解を参考に判断されます

3.連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

  • 仕事を休んだ日から連続で3日間(待期)の後の4日目からが支給対象です
  • 待期の3日間には土日祝日や有休も含まれます(給与対象日数かは関係ありません)
  • 就労時間中に発生した場合はその日を1日目と計算します。

4.休業した期間について給与の支払いがないこと

  • 「生活保障のため」となっているため、4日目以降の分の給料をもらっている場合は傷病手当金はもらえません(給与が傷病手当の金額よりも少ない場合は差額が支給されます)

大前提として「業務外の事由」とありますが、「業務上の事由」に関しては保証がないわけではありません。「労災保険」という他の保険の補償が適用されるので傷病手当は使えない、という意味です。

申請方法は?

傷病手当金は自分で申請しないともらえません。

申請用紙に記入後、加入している健康保険組合に郵送または手持ちで提出します。
申請用紙は全国健康保険協会のWEBサイトからもダウンロードできます。

なお、

  • 主治医の医者の記入欄に記入してもらう(300円の自己負担)
  • 会社の証明欄は会社に記入してもらう

という作業も必要になります。

詳細は、会社の総務や加入している健康組合(保険証に問合せ先の電話番号が記載されています)に確認しましょう。

高額療養費

保険内治療で1ヶ月に自分が窓口で支払う金額には、年齢と所得に応じて「限度額」が決められています。この金額を「自己負担限度額」といいます。
自己負担限度額を超えた場合には「高度療養費」として申請すると、限度額を超えた分は後から払い戻して貰えます。

自己負担限度額

70歳未満の区分

所得区分 自己負担限度額 多数該当
区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)
(報酬月額81万円以上の方)
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
区分イ
(標準報酬月額53万円~79万円の方)
(報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
区分ウ
(標準報酬月額28万円~50万円の方)
(報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)
(報酬月額27万円未満の方)
57,600円 44,400円
区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
35,400円 24,600円



多数該当とは
直近の1年間で3回以上高額医療費の還付を受けている場合、負担を軽くするために、4回目からは自己負担限度額が引き下げられます。このことを多数該当といいます。

※加入保険が変わった、被扶養者になった場合など状況が変わった場合は多数該当には当たりません。

世帯で合算可

1ヶ月のうちにママも子どもも医療費がかさむ場合もありますよね。自己負担額は世帯全員分合算して計算します。

合算の計算には下記のルールがあります。

  • 自己負担額は受診者ごと、かつ医療機関ごとに合計
    (医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来に分ける)
  • 薬を処方された場合は処方箋を交付した医療機関に含めて計算
  • 70歳未満の方で、受診者ごとに月に21,000円以上の自己負担額を支払った場合に合算できる

1ヶ月の支払いが下記だった場合で確認しましょう。

1.ママが医科入院で30,000円
2.ママが医科外来で20,000円
3.子どもが医科外来で25,000円

「1」と「3」は合算できますが、「2」は21,000円以下なので合算できません。

支払いが無理な場合は事前に申請もできる

「一度支払って後から還付」というのは負担な場合もありますよね。
70歳未満で月の医療費が限度額以上になるとわかっている場合には事前に「限度額適用認定証」を提出すれば、限度額以上は窓口で支払わなくて良くなる制度もあります。

全国健康保険組合
https://www.kyoukaikenpo.or.jp

申請書ダウンロード
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r124

自己負担限度額
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030#hutan

健康保険限度額適用認定申請書
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r121

まとめ

子ども医療制度、ひとり親医療制度だけではなく、中小企業の全国健康保険組合の保険にも実はこれだけ手厚い保障が用意されています。

自社の健康保険組合を持っている大企業は、更に充実した保障になっているようです。

それなのに、自分の加入している健康保険の内容を確認しないまま民間の保険に加入し、保険料がかさんでいる人も多いようです。

健康保険の保障内容もきちんとチェックしましょう。