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面会交流権とは?離婚後の元夫の面会 子どもが嫌がっても拒否できないの?

ライター 加藤良子

小学生の一人娘と完全に自分のことを人間だと思っているワンコと気ままな二人+一匹暮らしを楽しんでいるシングルマザーです。将来は日本を飛び出して二人で暖かい所に住むのが夢!シングルマザーならではの喜びや悩みを皆様と共有していきたいと思います

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離婚後の子どもと元夫との面会に関して、「子どもが嫌がっても面会させないといけないの?」など、色々な疑問を持ちながら不安な日々を過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 

今回は、面会交流について詳しく説明するとともに、取り決めをする際の注意点などもお伝えしたいと思います(弁護士監修済)。弁護士監修済。

面会交流権とは 

別居している親子が面会交流できる権利を「面会交流権」と言います。対面での面会交流を始め、電話や手紙などで親子が触れ合う場を設けることができる権利です。

日本ではどちらか一方にしか親権が認められていないので、離婚後は子どもは親権者と住むのが一般的です(親権と監護権を分けた場合は監護権者と同居する場合もあり)。

結果的に、別居している親とは会う機会もなくなりますが、親子である以上、会わない方が不自然で望ましくないとされていることから、民法766条で「面会交流権」が定められています。

離婚がまだ成立していない別居状態でも、子どもとの面会を請求することはできます。また、婚姻関係がなくても子どもを認知している親であれば面会交流権が認められます。

面会交流権は誰の権利?

面会交流権は子どもと別居している親が請求できる権利です。しかし、実際は親だけではなく子どもの権利であるとも考えられています。

子どもが親からの愛情を感じることは人格形成において非常に大切な要素であり、親の愛情を求めることは子どもの権利であるとも言えます。

子どもの意見を無視して親同士で勝手に取り決めをすることは認められておらず、子どもにとっての利益を最優先させるべきだとされています。

面会交流は何歳まで?

面会交流は子どもが成人するまで認められていますが、ある程度の年齢になると子どもと元夫が直接やり取りできるようになるので、母親が関与しない場合もあります。

離婚した当初は月3回の面会交流を認めていたとしても、年齢を重ねるにつれて子ども自身も忙しくなりますし、もしかしたら会いたくないと言い出すかもしれません。その場合は回数を減らしたりするなど子どもの意思が尊重されます。

面会交流の決め方 

後々トラブルになる可能性も高いので、面会交流についての具体的な事柄を事前に決めておく必要があります。

面会交流を決める時期

離婚前の話し合いの段階で決めておくとトラブルになる可能性が低くなります。

なお、双方が合意に達した内容は口約束ではなく「公正証書」に残しておくことをお薦めします。離婚後に「面会回数を増やしてほしい」「そんな約束はしていない」と言われたりするケースもあるので、面倒ではありますが作成しておいた方が安心です。

取り決めておきたい内容

連絡方法

子どもが幼い場合は面会交流について親同士が連絡を取る必要があります。電話やメールを使うのが一般的です。

離婚後に元夫との連絡を絶ちたいと思い電話番号やアドレスを変えたとしても、面会交流の機会がある限りはつながっている必要があるということになります。

面会交流回数

「月に1回」というケースが多いようですが、住んでいる距離や関係性によって面会交流の頻度は異なります。別居している親と子どもの関係が良好な場合は「週に1回」という場合もあります。

面会交流時間

午前10時から午後8時まで、午前11時から午後3時まで、というように具体的な時間を決めます。親子関係によって宿泊や旅行を認める場合もあれば、2~3時間という短時間になる場合もあります。

慣れるまでは子どもが「このままママのところに帰れなくなったらどうしよう……」と不安を感じる可能性もあります。最初は短い時間から、もしくは子どもが望むのであれば母親も参加する形で面会交流した方がよいでしょう。

受け渡し方法

どこかで待ち合わせをするのか? 送り迎えをしてくれるのか? など、子どもの受け渡し場所についても取り決めが必要になります。その都度決める方法もありますが、連絡を取り合うのが苦痛という場合は、最初からきちんと決めておきましょう。

外出先について指定をすることは難しいので、受け渡し場所のみ決めておいて時間内は自由に出かけてもよい、とするケースが多いです。

学校行事への参加

子どもの入学式や卒業式の参加に関してのトラブルも多々あります。中には勝手に日程を調べて参加する別居中の親もいるので、事前に取り決めをしておいた方がスムーズです。

子どもは運動会などで格好よく走る姿をお父さんに見てもらいたいという気持ちもあるでしょう。プログラムを送ったり子どもに手紙を書かせたりするのもよい方法です。

筆者のケースでは、距離が比較的近いこともあり「月に3回程度、1回の面会時間は3時間まで」と取り決めをしましたが、離婚して6年目に入った現在では娘がお友達との約束を優先するケースも多くなり「月に2回夕方5時~7時まで」が定番となりつつあります。

子ども自身も新しい環境に慣れてきたので、私に買わないと言われたものを「パパに買ってもらおう」と計画を企てたり、誕生日前になるとお目当てのお店に連れて行ってとお願いしたり、自分のペースで面会交流をするようになってきました。

子どもの意思は反映される?

忘れてはいけないのが「面会交流権」は子どもの権利でもあるということです。

子どもが幼い場合は「面会交流権」の趣旨が理解できないため、親同士の関係が悪いという理由により、子どもの権利が守られず面会交流が行われないことがあります。

離婚の原因によっては「会わせたくない!」という個人的な感情で取り決めてしまいがちですが……、子どもにとっての幸せにつながるでしょうか?

あなたがどんなに嫌いでも、子どもにとっては世界でたった一人のお父さんです。

暴力をふるったり精神的な問題があったりする場合は別ですが、親子のふれあいは子どもの安心感につながるということを考慮して面会交流の取り決めを行いましょう。

面会交流調停とは 

面会交流の方法がお互いの話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所に「面会交流調停」の申し立てをすることができます。この時点で離婚が成立していない場合は、離婚調停内で面会交流についても並行して協議します。

中立的な立場である調停委員が双方の意見を聞いたうえで解決案を模索し、お互いが納得をする形で合意できれば終了しますが、話がまとまらない場合は家庭裁判所が審判を下します。

面会交流調停不成立の場合は面会交流審判へ

離婚調停とは異なり、調停が不成立の場合は審判が始まります。裁判官は当事者の主張や調査官による調査結果などをもとにして、面会交流に関する事項を決定します。

子どものために最善の方法を決めるので親の意見が必ずしも通るとは限りません。相手側が納得できない場合は、決定事項が守られない可能性もあります。

面会交流については、できれば話し合いで決めるのがベストな方法と言えます。

子どもも調停に参加するの?

面会交流の方法を決めるために、家庭裁判所が子どもに対して試行的面接を行う場合があります。その際は家庭裁判所の調査官が必ず関わります。

家庭裁判所調査官は、教育学、心理学、社会学などに長けていて、子どもの心理状態を考慮して面会交流がどのように影響するのかを調査します。

直接審判を下すのは裁判官ですが、調査官の出した結果が調停委員の判断材料になり、裁判官の審判に影響すると言えます。

試行的面接は裁判所内にある専用の部屋で行われます。調査官立ち合いの元で面会交流を求める親と子どもとの交流が行われますが、同居する親は別室からマジックミラーでその様子を見ることができます。

何の問題もなければ調停が成立する可能性が高く、上手くいかなかった場合は面会交流が否決される可能性が高くなります。

面会交流と養育費問題は切り離して対応する

面会交流の取り決めをする際に子どもと別居する親の側が「面会させてくれないなら養育費は払わない」と主張したり、同居する親の側が「養育費を払わないなら会わせません」と主張したりするケースが多いようですが、基本的に養育費と面会交流は切り離して考えます。

面会交流は子どもの権利でもあります。一方の養育費は親の義務なので天秤にかけられることではありません。

子どもとの時間をお金で売買するという見方をされる場合もあります。特に、調停や審判の場で自分の感情的な主張ばかりすると不利になる可能性が高くなります。

ただ、実際問題として養育費と面会交流には少なからず関係性があるようです。
離婚後に養育費の支払いが滞るケースが非常に多くなっていますが、取り決め通りに定期的な面会交流を行っていると、養育費を払ってもらっている確率が高くなるようです。

子どもと元夫との関係が良好で悪影響がないなら、個人的な感情に流されずに定期的な面会交流の機会を設けることが子どもにとってもよく、養育費の支払いを受けやすくもなります。

離婚後の面会交流 拒否できる?できない? 

面会交流権は無条件に認められる権利ではありません。原則として「子どもの福祉を害しない限り認められる」とされているので、理由によっては面会交流の拒否や制限ができる場合もあります。

面会交流を拒否(制限)できるケースとは?

「子どもの福祉を害している」ケースとは、具体的には以下のような場合です。

  • 子どもを連れ去る可能性がある
  • 子どもに暴力をふるう
  • 子どもが病気である(日程を変更することで対処する)
  • 子どもが面会交流を拒否している
  • 面会交流によって子どもの情緒が不安定になる

元夫のDVが原因で離婚した場合も拒否はできない?

母親が父親からDVを受けたことが原因で離婚に至った場合、心情的には子どもに会わせることに抵抗があるでしょう。しかし、面会交流権は夫婦の関係ではなく親と子どもの関係を優先させるので、必ずしも面会交流を拒否できるとは限りません。

面会交流方法を工夫したり、直接的な面会交流ではなく写真やビデオといった間接的な交流方法を選択したりする方法もあります。

母子でシェルターに避難をしている場合や居場所を知られたくない場合は、面会交流は不可能とみなされるケースもあります。

子どもが嫌がるという理由で拒否すると罰則を受ける?

子どもが面会交流を拒否している場合は面会交流を拒否する理由に該当しますが、親の感情的な意思が反映されると別問題になります。

「やっぱり会わせたくない」「引き渡す時に会うのが嫌だ」などといった、親の事情で面会交流を拒否するのは正当な理由とは言えません。元夫側から慰謝料請求をされて支払う結果になったケースも実際にあるので、法的にも認められていないということになります。

難しいのは「子どもの本心はどうなのか?」という問題です。

母子家庭になると子どもは母親に気をつかうようになる傾向があります。母親に遠慮して「お父さんとは会いたくない」と言うことも多いようですが、実際に面会交流をすると嬉しそうにしていることもあります。

家庭裁判所の調査官が子どもの心理を読み取って判断し、面会交流を認めるケースもあります。

まとめ

離婚をするということは、夫婦として生きていくことができない理由があったということです。

離婚後は「できれば関係を断ちたい」と考えると思いますが、子どもがいる場合は難しくなります。

「あなたにとっては他人でも子どもにとっては親である」ことを前提として面会交流権の取り決めに臨みましょう。

あなたは面会交流についてどう思いますか? 不満やストレスを抱えている方もいるでしょう。同じ経験をした方や面会交流について悩んでいる方と意見を共有することで少しでも軽減されたら嬉しいです。