シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

大学進学費用の強い味方「教育ローン」とは?

ライター 加藤葉子

女性とシングルマザーのお金の専門家として、全国の女性よりお金の相談を受けているファイナンシャルプランナー。行政主催のマネー講座や女性ファイナンシャルプランナーの養成などでも活動中。シングルマザーで一児の母。

Photo yoko kato

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「子どもの教育費は余裕をもって準備してあげたい」と思っていても、シングルマザーにとっては生活費だけでも精一杯、なんてこともありますよね? 子どもの成長は嬉しいけど進学を考えた時に家計と教育費の狭間で不安……、という相談もよく受けます。

今回は、そんな時に頼れる「教育ローン」をご紹介します。

教育ローンと奨学金とは何が違うの?!

教育資金として民間や日本学生支援機構の奨学金を利用することもできます。
教育ローンと奨学金にはどのような違いがあるのでしょうか。

教育ローン 奨学金
「国の教育ローン」の場合 「日本学生支援機構」の場合
貸主
(返済する人)
保護者 学生本人
借り方 一括で振込み 毎月定額で振込み
支給時期 入学前から可能 入学後
返済開始 借りた翌月から 卒業後から



奨学金は子どもが借主、教育ローンは保護者が借主となります。また、支給される時期にも違いがあります。

日本学生支援機構の奨学金は大学入学後に支給が開始されるため、入学金など合格発表後にすぐに必要な「納入金」は残念ながら間に合いません。

最近の入試スタイルは多様化し、AO入試や推薦入試など高校3年生の夏以降早い時期から行われています。

教育ローンでは入学前に必要な納付金にも対応しているため、入学前の必要資金は教育ローンで乗り切った! というシングルマザーもいます。

なお、日本学生支援機構や民間の奨学金には、返済義務のない「給付型」奨学金も多くあります。上手に利用できると負担軽減になります。

詳細は「給付型奨学金に注目! もらえるお金を徹底解説|お金のプロが教える貯金・節約術5」をご覧になってくださいね。

入学前の支給が可能な「教育ローン」とは

教育ローンは、金融機関が個人を対象に行う「教育関係経費」に限定したローンです。

日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」と銀行など民間金融機関が取り扱う「民間の教育ローン」と大きく2種類に分かれます。

国の教育ローン

日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」は、平成28年度の利用件数は12万件と最も利用者数の多い教育ローンです。

制度の特徴や注意点などを詳しく見てみましょう。

シングルマザーの優遇制度

[日本政策金融公庫の教育一般貸付「国の教育ローン」概要]

一般 低所得(世帯年収200万円以内)
母子父子家庭、交通遺児家庭
融資限度額 子ども1人につき最高350万円
(海外留学資金(一定の条件付き):最高450万円)
返済期間 15年以内 18年以内
金利 年1.76%(固定金利) 年1.36%(固定金利)
保証 連帯保証人または(公財)教育資金融資保証基金による保証が必要
時期 申込みから20日程度で入金

※日本政策金融公庫WEBサイトより(平成29年11月10日現在)

上記のように、シングルマザーは返済期間や金利が優遇されています。また、固定金利のため、毎月の返済額が変動することはなく計画的に安心して返済することができます。

入学金、授業料、施設設備費などの学校納付金以外にも、受験にかかった費用や在学のため必要となる住居費用(アパート・マンションの敷金、家賃など)や教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用など多様なニーズに対応しているのもありがたいところです。

民間の教育ローン

民間の教育ローンは様々な金融機関で取り扱っています。一例をご紹介します。

[ある都市銀行の場合]

  • 最長10年、300万円まで
  • 変動金利:年3.475% 固定金利:年4.250%(平成29年11月)

金利は「国の教育ローン」の方が低くなっていますが、融資金額については「民間の教育ローン」には金融機関によっては上限額が高いものも多くあります。

なお、国の教育ローンも民間の教育ローンも利用するためには審査があります。大学受験シーズンには申込が殺到し通常よりも審査日数が長くかかることもあります。

教育ローンの申し込み後にキャンセルをすることができるので、お子さまの受験の合否を待たずに、受験する前に申し込むのが賢い活用法になります。

出典元:日本政策金融公庫 世帯年収に占める在学費用の割合は 16%と前年に比べ低下
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h28.pdf

母子父子寡婦福祉金を利用する方法も

シングルマザーの場合「母子父子寡婦福祉資金」も教育資金として利用できます。

母子父子寡婦福祉資金は、ひとり親家庭の経済的困難を応援する自治体から貸付を受けることができる資金です。
「無利子」であることが最大の魅力です。さらに、連帯保証人要件が緩和され、連帯保証人のない場合は有利子になりますが、貸付が認められるようになりました。

京都市の「就学支度資金」の場合:

  • 貸付金(月額):私立大学(自宅)=81,000円、私立大学(自宅外)=96,000円
  • 償還期間:10年
  • 貸付利率:無利子
  • 申請後、審査の翌月末に振り込み

詳細は各都道府県や自治体によって異なります。まずは、お住まいの自治体に早めに相談しましょう。

地域により違いはありますが、子どもの教育費のために母子父子寡婦福祉資金を借りるシングルマザーが多いようです。

詳細は「母子父子寡婦福祉資金 特徴や内容を知りたい!」をご覧くださいね。

出典元:京都市情報館 母子父子寡婦福祉資金貸付事業
http://www.city.kyoto.lg.jp/hagukumi/page/0000033347.html

最後に

子どもの教育費はコツコツと貯めていきたいですよね……。ただし、現金が足りなくなったり、予定外の費用が必要になったりした場合には、奨学金や教育ローン、母子父子寡福祉金貸付金といった国や民間の制度も活用し、お子さまの夢と進路を叶えてあげましょう。