シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

シングルマザーが「稼ぐ力」を身につける方法

ライター 山木三千代

キャリアカウンセラーとして年間1,000人以上のシングルマザーの就職をお手伝いしています。私自身も4人の子育てと仕事を両立させながら収入をあげるため、多くの転職を経験。そのノウハウをお伝えします。

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シングルマザーの中には稼ぐことに少し抵抗のある方もいらっしゃるようですが……、この記事に目が留まった貴女は今の収入に満足していないかもしれません。

「シングルマザーにはどんどん稼いでほしい」と私は思っています。そして、「稼ぐ」シングルマザーになれる方法はあります! 今回はそのための方法を少しお話ししましょう。

将来への漠然とした不安を軽減するには

「それなりに働いて多少の収入はあり、児童扶養手当や色々な母子施策、親御さんの援助や養育費などがあるので、自分一人でガツガツと稼ぐ必要がない」というシングルマザーも少なからずいらっしゃいます。

ただ、「将来への漠然とした不安」を抱えている方はとても多いように感じています。

子どもと自分の未来に何の不安もないシングルマザーはいないかもしれません。その不安の中で大きなウェイトを占めるのが経済的なことです。

「今は困ってないけど、何かあったらどうしよう」というケースもありますが、「今の生活がギリギリ。本当に稼がないと困るんです」と言う方も多いのではないでしょうか?

私自身も離婚後5年くらいは生活が大変でした。携帯や電気などが止まったことも度々あります(笑)。その状況から脱出するには、一人でガツガツ「稼ぐ」しか方法はありませんでした。

シングルマザーにとって「稼ぐ」とは?

子育てと仕事の両立で苦労しているのはシングルマザーだけに限ったことではなく、今の日本で一生懸命働くママたちに共通する悩みですよね。ただ、「ワンオペ育児だけでなく、ワンオペ経済」は本当に大変だと思います。

では、シングルマザーはどのくらい稼ぐのが適正なのでしょうか?

シングルマザーが「稼ぐ」ことを考えたときに一番に心配になるのが「子育ての時間がなくなる」「お迎えに行けない」など、子育てについてです。

それは何故でしょうか? 「稼ぐ」=「長時間労働や休日出勤などの男性的な働き方」を思い浮かべる方が多いようです。働き方を「時給計算」しているからであり、働くことを「我慢代」と思っているからでしょう。

年収800万円以上ので1日5時間以下勤務の仕事は、もちろん多くはありません(ないわけではないことも知っていてください)。

ここで、少し視点を変えて、自分と子どもにとって必要な金額と相応の働き方を考えましょう。

単純に時間給で考えると、「最低賃金(全国平均)848円×1日8時間×月20日=月135,680円」です。この金額で子どもを育てていくことは厳しいでしょう。

就職支援をしている現場では、「年収300万円を目指しましょう」とお伝えしています。

「年収300万円」は首都圏基準の金額です。最低賃金や地域の特性によっては「年収300万円」なくても十分な生活ができる地域もあると思います。ご自身の住んでいる地域で、どれくらいの年収が妥当なのかを確認してくださいね。

ただ、概算になりますが、「母子だけの家族で、賃貸住宅に住み、子どもが二人以上いる」場合は、地域に限らず年収300万円以上でないと将来の不安はなくならないでしょう。子どもたちが将来独立した後にママ自身が貧困に陥り生活保護になる可能性も高くなってしまいます。

今すぐでなくてもいいのです。お子さんが小さく難しい場合は仕方ありません。一番下のお子さんが小学校を卒業するまでに、「年収300万円」を超えるのが理想だと感じています。

稼げる仕事とは?

シングルマザーの多くが稼げる仕事として選んでいるのは「看護師」です。
勤続年数や職場の規模などの条件はありますが、年収500万円くらいにはなる方も多く、中には年収800万円以上になる方もいらっしゃいます。

専門職はやはり強いです。

介護でも、現場で働く介護職などは年収が300万円の前後ようですが、スキルアップして社会福祉士になると人によっては年収500万円を超える方もいます。

医療・福祉の業界は、人出不足もあってきちんと選べば、稼げる仕事になってきています。

女性に人気のない「営業職」も稼げる仕事です。
取扱商品や働き方、対象顧客層によっては、女性の営業職が活躍する業界も多くあります。毛嫌いせず、選択肢にいれてみてもいいかもしれませんよ。

シングルマザーが「稼ぐ」ときに必要なもの

シングルマザーが収入アップを目指す際、転職のことをまず考えるようです。副業を探す、資格を取ろうとする方も多いでしょう。

実は、シングルマザーが「稼ぐ」にシフトチェンジしようとする時、それよりも先にやってもらいたいことがあります。

それは、「覚悟する」ことと「目標設定をする」ことです。

転職サイトをやみくもに探しても仕事は見つかりません。副業だってそう。時間を浪費するだけなので、あまりお勧めしません。資格取得も目標があって初めて有効になります。

まず、「今の自分に足りないものに気づき、それを修正していく覚悟」と「どうなることが自分と子どもにとって最適なのか」を知り、それに照準をあてて目標をたてましょう。

「稼ぐ」シングルマザーになりたいのであれば、今のままではなれません。
今のままで「稼ぐ」シングルマザーになれるのなら、貴女はすでに稼いでいるはずだからです。

もし満足できていないのなら、「何かを変化させる」ことでしか満足を得ることはできません。厳しいようですが……、それが現実です。

ただ、全てを変える必要はありません。「何を変化させるのか?」「何を変化させないのか?」この二つを目標を元に考えて決めていきましょう。そして、その変化にあった結果で満足する覚悟をしなければいけません。

例えば、「子どもが小さいので、保育園のお迎えは自分が行かなければならない」を変化させないことに決め、17時終業時刻の仕事にしか就けないとしましょう。

その場合変化させるのは、「17時までで稼げる仕事に転職すること」が一つ目の変化することになります。そして、「その働ける時間全部を使って働いた給与で、生活できるように暮らしを見直しで楽しむ」ことが二つ目の変化することです。

この二つを変化させて、数年後に「次に何を変化させるか」を目標としていきます。

逆に、今の仕事は変化させないことに決めたら、「収入が足りないのであれば足りないなりにどう楽しむか?」を工夫して変化させましょう。

通勤時間が長くなっても家賃の安いところに引っ越す、子どもの習い事を一つやめる、などが考えられると思います。つまり「お金がないことを不満に思っている自分」を変化させるのです。

「何かを変えること」で未来が変わります。

社会環境が驚くくらいのスピードで変化しています。企業危機のニュースが毎日のように流れています。「あの会社がこんなことになるなんて」ということも起こりえる時代です。誰もが知っているような大企業が倒産の危機にさらされる時代です。

変化を恐れるシングルマザーにいつもお伝えしているのは、「緩やかな下りエスカレーターに乗っていると思ってください」ということです。

景色がすぐに変わらないので止まっているように感じ現状維持のままでいると、実は緩やかに下っているので、ハッと気づいたときには地下に到着してしまいます。

少しずつ上り続けていて、やっと現状維持です。稼げるようになるためには、その倍のスピードで上っていくことが必要かもしれません。

最後に

シングルマザーが「稼ぐ」のは簡単ではないと思いますが、一度くらい必死で稼いでみる経験も自分自身の将来にとって大切だなと感じています。

お金持ちの人が「人生お金だけじゃないよ。もっと大切なものがある」とよく話されています。ただそれは、実際にお金のある生活をしてみたから言えることです。

お金を稼ぐために色々なものを犠牲にしたり、無くしたりしたからこそ、心からそう感じて感謝ができるのだと思います。

また、実は、お金を稼ぐのは、自分ひとりの力ではできないのです。多くの人に助けられ見守られ、与えてもらった結果なのです。

それを体験するのは、自分が必死に与え続ける仕事をしてからです。その経験は、お金だけではない大きなものを貴女に残します。その上で、お金だけが幸せではないことを本当の意味で体感してほしいと思います。

貴女の未来と子どもの未来は別のものです。そして、その両方を担っているのが、貴方自身の精神的・経済的自立です。

この二つは心と体のように切っても切れない関係です。どちらかだけでは、将来の不安はなくならないと思います。そのための一歩として、稼げるシングルマザーになる道を選択する貴女に、この記事が届くように願っています。

各都道府県の最低賃金
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/