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児童手当は離婚してももらえる?手続きは必要?改めて確認したい!

ライター 加藤良子

小学生の一人娘と完全に自分のことを人間だと思っているワンコと気ままな二人+一匹暮らしを楽しんでいるシングルマザーです。将来は日本を飛び出して二人で暖かい所に住むのが夢!シングルマザーならではの喜びや悩みを皆様と共有していきたいと思います

Photo ryoko kato

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離婚の際には、離婚後の経済的な問題が気になる方も多いことと思います。仕事を始めたとしてもすぐに安定した収入を得ることができるとは限りません。そのような状況の中、手当があって本当に助かった! と筆者も感じました。

今回は、「育児手当」と呼ばれることも多い「児童手当」について改めて確認したいと思います。

「児童手当」は婚姻時から支給を受けていた方も多いと思いますが、離婚後ひとり親家庭になっても支給されます。ただ、離婚後は改めて手続きをする必要があるので注意しましょう。

児童手当とは? 

「児童手当」とは日本の社会保障制度の一環として、児童の健やかな成長を支えるために設けられた支給制度です。2010年に一旦「子ども手当」と名称が変わりましたが、2012年に再び「児童手当」に戻されました。

支給対象は?

日本に居住している0歳から中学を卒業するまでの児童が児童手当の支給対象です。15歳に達しても中学を卒業する3月までは支給されます。

ただし、実際に支給されるのは親名義の口座になり、基本的には両親のうち所得の高い方が申請者となります(自治体によっては対象児童の健康保険料を負担している方になる場合もあり)。また、親の代わりに児童を養育している場合も申請することができます。

児童手当はいつから始まった?

日本で児童手当法が成立したのは1971年です。支給対象は現在とは異なり、所得制限は5人世帯で200万円程度、義務教育終了前の児童を含む18歳未満の児童が三人以上いる場合に限り、第3子以降の児童一人につき月5,000円が支給されました。

世帯当たりの子どもの数が多かったのがうかがえます。その後、少子化が徐々に進むに伴い、様々な助成制度が見直されてきています。

2007年には3歳未満の児童に一律1万円、3歳~小学校卒業までの第1子、第2子には5,000円、第3子以降は1万円(特例給付)となりました。2007年当時の所得制限は4人世帯で574万円程度となっていました。

2009年に自民党から民主党へ政権が変わった際には、公約として掲げられていた「子ども手当」が実施されました。2010年の子ども手当スタート時には所得制限はなく、0歳~中学卒業までの児童に一律1万3千円が支給されるようになりました。

その後、金額が改正されて3歳から小学生の第2子までと中学生が1万円、3歳未満と小学生までの第3子は1万5千円となりましたが、東日本大震災の復興支援のための財源を確保するために一時廃止されました。

2012年に再び自民党政権になったのを機に「児童手当」がスタートして、現在は日本国内に住む0歳~中学卒業までの児童を対象に支給されています。

児童手当の支給額 

児童手当の支給額は以下の通りです(2017年12月現在)。

0~3歳未満 月額15,000円
3歳~小学校卒業まで 月額10,000円(第1子・第2子)
月額15,000円(第3子以降)
中学生 月額10,000円

   

支給額例 

  • 1歳、2歳の子どもがいる場合、二人とも支給対象
    3歳未満の子どもが二人⇒15,000×2=月額30,000円

  • 7歳、14歳、17歳の子どもがいる場合、5歳と14歳の子どもが支給対象
    10,000円(14歳⇒中学生)+15,000円(7歳⇒第3子で小学生)=月額25,000円

特例給付

児童手当の支給には所得制限があります。定められた金額以上の所得がある場合は児童手当が支給されず、代わりに「特例給付」として子ども一人あたり月額5,000円が支給されます。

2017年4月に「特例給付については廃止を検討する」という報道がありました。「特例給付に使われていた財源を待機児童問題解決のために使う」というのがその理由です。

その後、経団連などが待機児童問題解決のための費用を負担することで、特例給付については政府が当面継続する方針を決めたようです(2017年11月)。

また、夫婦のどちらか多い方の収入のみが所得制限の対象となっていますが、「公平さに欠ける」という意見もあり、世帯全体の収入で判断するように見直すという動きがあります。

現行では、夫の収入が1千万円あれば所得制限の対象ですが、夫が年収600万円、妻が年収500万円の場合は合計して1,100万円の所得となるにもかかわらず、所得制限の対象にはなりません。

児童手当の支給月

児童手当は毎月支給されるわけではなく、2月(10~1月分)、6月(2~5月分)、10月(6~9月分)の年3回に分けて4カ月分がまとめて振り込まれます。支給日は自治体によって異なります。

児童手当の申請方法 

支給要件

児童手当は児童自身ではなく、児童を養育している人(請求者)に支給されます。基本的には父母のどちらかに支給されますが、両親に養育されていない児童の場合は、実際に養育している人に児童手当が支給されます。

養育者への支給要件としては、日本国内に住所があるという前提に加えて、以下のことが定められています。

  • 仕事や留学などで両親が日本に居住していない児童を監護して生計を同じくしている人で、支給要件児童の両親から指定されている(父母指定者)場合
  • 両親、又は父母指定者の監護下になく生計も同じくしていない場合で、児童を監護し、生計を維持していること
  • 児童福祉施設に入所している場合は施設の長に、里親に預けられた場合は里親に支給される(この場合は所得制限はなし)
  • 支給される人が児童手当を受け取る前に亡くなった場合は、児童本人が受け取ることができる

申請方法

申請窓口

児童手当は自動的に支給されるわけではなく、自身で申請を行わないと受給されません。出産した場合や他の地域から転入した場合はお住まいの地域の市役所、区役所に申請をします。

例えば、1月に出産した場合は1月中に申請をすれば2月分から支給対象となります。申請時期が遅くなっても出産時にさかのぼって支給されるわけではないので、早めに申請をしないと損をしてしまいます。

15日特例

原則として申請した翌月から支給対象となりますが、出産が月末だった場合は出産の翌日から翌月の15日までに申請すれば出産翌月からの支給が認められます。例えば、1月29日に出産した場合は、1月30日~2月13日までに申請をすれば2月分から支給対象になります。

申請に必要な書類

児童手当は出生時又は転入時に申請をすれば、翌年からは自動的に各自治体から6月に「現状届」が届きます。現状届を提出することで受給資格が確認され、支給の可否が判断されます。

必要書類

  • 児童手当認定請求書
  • 請求者の保険証コピー
  • 請求者名義の口座通帳、またはキャッシュカード
  • 印鑑
  • マイナンバー(2016年1月よりマイナンバーの記入が必要になったため)

マイナンバーを記載することで情報の共有ができるようになり、2017年11月より「課税(非課税)証明書」の添付が省略されるようになった自治体もあります。2018年7月以降は住民票の添付も省略される動向があります(2017年12月現在)。

必要な書類は上記の通りですが、自治体によっては所得証明や住民票が必要になるところもあるので、詳細は各自治体に確認してみてください。

所得制限

所得制限は年収ではなく、源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」で決まります。

源泉徴収票内の「支払金額」は年間の給与の合計金額です。支払金額から「給与所得控除額」(自動的に算出されるので源泉徴収票には記載なし)を差し引いた額が「給与所得控除後の金額」になります。

所得制限の計算法:給与所得控除後の金額-控除額(寡婦控除、医療費控除など)-8万円(定額控除)

所得制限の限度額

扶養人数 所得限度額
(1人につき38万円加算)
所得額の目安
1人 660万円未満 833.3万円
2人 698万円未満 875.6万円
3人 736万円未満 960万円

離婚後の児童手当に関する疑問 

離婚協議中の場合はどうなるの?

離婚協議中で別居している場合は、対象児童と同居している人に児童手当が支給されます。

児童手当の請求者を夫としていて別居後に妻側が子どもを養育することになった場合は、別居を始めた時に変更手続きが必要です。

「児童手当等の受給資格に係る申立書」を提出することで請求者を夫側から妻側へ変更することができます。自治体によっては申立書をWEBサイトからダウンロードできる場合もあります。

なお、必要な書類は自治会によって異なります。お住まいの地域で確認してください。

離婚後に必要となる手続きはある?

離婚後にどちらが児童を養育するかによって必要な手続きが変わります。父親が元々請求者になっていて、父親が継続して養育する場合は何の手続きも必要ありません。

ただし、養育者が母親になる場合は変更手続きが必要になります。

まずは、父親が「児童手当・特例給付受給事由消滅届」を記入・提出することで受給をストップさせます。その後、妻が「児童手当・特例給付認定請求書」を提出します。

ただし、「父親側が消滅届を書いてくれない」という理由で手続きがスムーズに行えないというケースもあるようです。消滅届が父親から提出されない場合には、委任状の提出や同居していないことを証明することで妻側が手続きできることもあるので、各自治体に相談してみましょう。

児童手当が支給されるのは2月、6月、10月なので、1月に変更手続きをした場合は、2月分は元の請求者である夫の方に振り込まれることになります。離婚後は早急に手続きをすることをおすすめでします。

離婚後、支給額は変動するの?

シングルマザーを事由に児童手当の支給額が変動することはありません。ただし、妻の収入が所得制限を超える場合は特例給付の対象となります。

まとめ

離婚をしてシングルマザーとして子どもを育てていくとなると、今までは何気なく受給していた児童手当の存在も大きくなります。

離婚することによって面倒な手続きが必要になる場合もありますが、子どもとの生活を安定させるためにもできる限り早めに対応するようにしましょう。

児童手当についてお伝えしましたが、今後の参考になったという方は是非シェアしていただけると嬉しいです。

毎日新聞 児童手当 所得制限、世帯合算へ変更検討へ
https://mainichi.jp/articles/20171219/k00/00m/020/096000c


厚生労働省 児童手当 所得制限限度額表
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/osirase/dl/jidouteate240618-2.pdf