シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

母子・父子自立支援員(母子相談員)にはどのようなことを相談できるの?

ライター 加藤良子

小学生の一人娘と完全に自分のことを人間だと思っているワンコと気ままな二人+一匹暮らしを楽しんでいるシングルマザーです。将来は日本を飛び出して二人で暖かい所に住むのが夢!シングルマザーならではの喜びや悩みを皆様と共有していきたいと思います

Photo ryoko kato

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家庭を持つ主婦には相談しにくい悩みもあり、住まいやお金のことは他人に聞きづらい……、相談相手がいないシングルマザーも多いのではないでしょうか?

だけど、一人で悩んでいても解決できない問題もあります。
それに、給付金や支援制度など知らないと損する情報はおさえておきたいですよね。

そんな時に頼りになるのが「母子・父子自立支援員」です。今回は「母子・父子自立支援員」の仕事内容や相談できる内容についてお伝えしたいと思います。

母子・父子自立支援員とは

「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に基づいて各自治体の福祉事務所に配属されているのが「母子・父子自立支援員」です。

「母子及び父子並びに寡婦福祉法」は昭和39年に「母子福祉法」として制定されました。

離婚や死別によって母子家庭となった人のために、福祉の一環として資金の貸し付けや売店の設置許可、公営住宅への入居などについて配慮することを目的として作られた法律です。

当時、「母子・父子自立支援員」は「母子相談員」と呼ばれていましたが、昭和56年に法律名が「母子及び寡婦福祉法」に改正されると同時に「母子自立支援員」と改称され、平成26年に「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に改正されると同時に現在の名称となりました。

法律名の改正の背景には、母子家庭世帯の増加に伴って支援を拡大する必要があったこと、ひとり親家庭の子どもの貧困問題、父子家庭が増加したことがあると考えられます。

母子・父子自立支援員は保育士、社会福祉士、精神保健福祉士などの有資格者か、資格がなくても児童福祉事業にて2年以上実務の経験がある人など、児童福祉の場で働くのにふさわしいと判断された人が選ばれます。

ひとり親にとっては頼もしい存在と言えるでしょう。

母子・父子自立支援員の仕事内容

生活全般に関する悩み相談

ひとり親になったことで生じた生活や子ども、住宅、仕事などに関する悩みについての相談を行っています。また、離婚前であっても、将来的にひとり親になった場合の生活全般についての相談をすることもできます。

福祉資金貸付金の相談と指導

ひとり親の自立支援の一環として「母子福祉資金貸付金」「父子福祉資金貸付金」「寡夫福祉資金貸付金」に関する相談を行い、情報を提供しています。

給付金に関する相談

「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金」「ひとり親家庭自立支援教育訓練給付金」「ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」など、自立するために必要な貸付や給付金の相談や指導を行っています。

給付金の種類などは自治体によって異なるので、WEBサイトなどで確認してください。

関係機関との連携

ひとり親に対する自立支援を総合的に行うために、自治会内の関係部局やNPO法人、ハローワーク、民生委員、学校関係者、母子・父子福祉団体、支援施設など、様々な関係機関と連携して業務を行います。

母子・父子自立支援員に相談できること 

相談対象者

母子家庭の母親、父子家庭の父親、配偶者のいない寡婦、寡夫などのひとり親が相談対象者となります。「配偶者のいない」というのは、離別、死別、婚姻せず親になった以外にも、配偶者の生死不明、海外在留、遺棄、労働能力損失、長期拘留なども含まれます。

あくまでもひとり親本人が対象者ではありますが、その家族や知人の相談に乗ってもらえる場合もあります。離婚を検討中の人なども相談対象者になります。

相談の申込み方法

申込み方法は自治体によって異なるのでWEBサイトなどで確認しましょう。

相談方法

基本的には対面相談、電話相談、メール相談のいずれかとなります。自治体によっては自宅を訪問してくれる場合もあるので、福祉事務所に出向くことが難しい場合は確認してみましょう。

対面相談

予約なしで訪問し空きがなくて相談できなかったということにならないように、対面相談を行う場合は事前に予約をした方がよいでしょう。

面談場所には子どもを遊ばせるスペースやベビーベッドが用意されていることが多いので、子連れでも安心して利用できます。

様々な事情でプライバシーを重視したい場合は、予約の際に申し出れば時間帯や場所に配慮して相談を行ってくれます。
相談内容に関しては守秘義務がありますし、個人情報も相談者の同意を得た場合のみ関係機関に提供されます。

電話相談

匿名での相談を希望する場合は電話相談がおすすめです。受付時間内であればいつでも相談できますし、携帯端末があれば都合のよい場所から電話をかけることができます。

ただし、匿名の場合、情報提供はできても関係機関との連携が取れないため、問題解決が難しく解決までに時間がかかることがあります。匿名での相談で緊急性のある問題を解決するのは難しいかもしれません。

また、電話では表情が見えないために本意が伝わらない可能性もあります。伝えたい内容を頭の中でしっかりと整理してから電話相談をするとスムーズになります。

メール相談

受付時間内に電話相談や対面相談ができない場合に便利なのがメール相談ですが、メールの文章では事実を正確に伝えることはできるものの細かい感情などが伝わらない場合もあります。

メール相談をある程度してみて、見解の相違や細かい部分で伝わらないことがあれば電話や対面での相談に切り替えると問題解決までの時間が短くなります。

集中相談

平成28年度より孤立しているひとり親家庭の支援を目的として「集中相談」を行う取り組みが始まりました。

毎年8月は現況届を提出する時期ですが、その時期に合わせて母子・父子自立支援員に加えて弁護士、ハローワーク職員、母子家庭等就業・自立センター職員、公営住宅担当部局職員などに相談ができる場が設けられました。

どのような支援が受けられるのかを知り、その場で行政の窓口に直接相談できるので、忙しいシングルマザーにとっては様々な悩みや相談事を一度に解決できるよい機会になります。

集中相談は全ての自治体で行われているわけではないので、お住まいの地域で行われているかどうか確認してみましょう。

相談内容

母子・父子自立支援員に相談できる内容は多岐に渡ります。離婚前、ひとり親、未婚の方の相談に対応できるように、下記のようなテーマで相談支援を行っています。

  • 離婚、未婚、死別に関する相談
  • 就業相談
  • 家計相談
  • 生活、住まい・施設
  • 子どもの養育相談・子育て支援・子どもの教育
  • 養育費・面会交流の相談
  • DV・児童虐待に関する相談
  • 手当・経済的支援
  • 保険・医療、年金
  • 再婚

厚生労働省 ひとり親家庭支援担当課職員向け ひとり親家庭支援の手引き
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000125850.pdf

まとめ

シングルマザーとして日々頑張っていても、解決の難しい問題に直面することもあります。

そんな時は一人で抱え込まずに、ひとり親の相談を受けるプロである母子・父子自立支援員に相談してみてください。支援制度や行政の助けを借りることで明るい道が開けるでしょう。

母子・父子自立支援員の存在により、シングルマザーの孤立やひとり親家庭の子どもの貧困など深刻な問題が少しでも解決に向かうことを願います。