シングルマザー(母子家庭)の暮らしを「ちょっとずつ」良くする

児童扶養手当の計算方法は?自分でも確認できるものなの?

ライター 加藤良子

小学生の一人娘と完全に自分のことを人間だと思っているワンコと気ままな二人+一匹暮らしを楽しんでいるシングルマザーです。将来は日本を飛び出して二人で暖かい所に住むのが夢!シングルマザーならではの喜びや悩みを皆様と共有していきたいと思います

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No117s

一人での子育ては仕事をする時間に制限があり、正社員で働くこともなかなか難しいのが現実です。

シングルマザーにとって児童扶養手当は経済的に非常に助かる支援制度です。
ただし、シングルマザーであれば必ず児童扶養手当が支給されるというわけではなく、収入によって支給金額も変わります。

今回は、収入によって異なる児童扶養手当の計算方法をお伝えします。今後の参考にしてみてください。

児童扶養手当 所得の計算方法 

所得とは?

児童扶養手当の支給額を確認するためには、まずご自身の所得金額を知る必要があります。所得は年収(税金や保険料が含まれている)ではなく、年収から必要経費や控除額を引いた金額になります。

新規で申請する場合は、申請をする月によって対象となる年が変わります。1~6月の場合は前々年度、7~12月の場合は前年度の所得で申告を行います。

新規申請後の翌年からは自治体から届く「現況届」を8月に提出し、前年度分の所得を申告する必要があります。

給与所得者(会社員・パート・アルバイト)の場合

源泉徴収票がある場合は「給与所得控除後の金額」が所得となります。源泉徴収票がない場合、または給料が月8万8,000円未満の場合は「年収-給与所得控除額」の金額を給与所得とします。

年収 給与所得控除額
180万円以下 収入金額の40%(65万円未満の場合は一律65万円)
180~360万円以下 収入金額の30%+18万円
360~660万円以下 収入金額の20%+54万円
660~1千万円以下 収入金額の10%+120万円

自営業の場合

自営業の場合は、確定申書Bに記載する「所得金額の合計」(収入から必要経費を引いた金額)を申告します。

児童扶養手当の所得の計算式

児童扶養手当の申請をする際は、前年度の所得金額を以下の計算式に当てはめて計算します。

前年度の所得+養育費の8割-8万円-各種控除金額

計算式にある「養育費の8割」は、実際に年間に受け取った養育費の金額の8割になります。例えば、月額2万円受け取っているのであれば「2万円×12ヵ月×0.8=192,000円」となります。

控除額一覧

計算式内にある「各種控除額」には色々な控除があります。
下記は東京都新宿区の例です。詳細はお住まいの自治体に事前に確認しましょう。

控除内容 控除額
雑損・医療費・小規模企業共済などの掛金・配偶者特別控除 課税上実控除額
特別障害者控除・特別障害者扶養控除 40万円
障害者・勤労学生・障害者扶養控除 27万円
老人扶養控除 10万円
老人扶養控除(扶養義務者のとき) 6万円
寡婦(夫)控除(請求者が父または母のときは除く) 27万円
寡婦控除特別加算(請求者が母のときは除く) 35万円
特定扶養親族(請求者の15万円み) 15万円

「寡婦控除特別加算」は「寡婦(寡夫)控除」よりも控除額が8万円高くなりますが、以下のすべての条件を満たしている場合に限られます。

  • 配偶者と死別、また配偶者や離婚後に婚姻関係ではない人の生死が明らかではない一定の人
  • 扶養親族である子どもがいる人
  • 所得合計金額が500万円以下である人

児童扶養手当 所得制限の確認方法

児童扶養手当には所得制限があり、所得によって全額支給か一部支給になるかが決まります。なお、子どもの人数(扶養親族数)によっても金額が異なります。

扶養親族数 本人(請求者)
全部支給
本人(請求者)
一部支給
配偶者・扶養義務者
および孤児などの養育者
0人 19万円 192万円 236万円
1人 57万円 230万円 274万円
2人 95万円 268万円 312万円
3人 133万円 306万円 350万円
以降1人増 38万円の加算 38万円の加算 38万円の加算

※東京都新宿の表を基に作成

シングルマザーの所得制限をチェック

まず、ご自身の所得を「本人(請求者)」欄で確認して全額支給か一部支給かを確認します。例えば、世帯が本人と子ども二人の場合は、扶養人数は二人になります。

本人の所得が95万円以下の場合は全額支給、96~268万円以下であれば一部支給となります。

扶養親族0人とは?

上記の表に「扶養親族0人」の欄があります。子ども(扶養親族)が一人以上いるから「シングルマザー」なのに、なぜ「扶養親族が0人」という状況になるの? という疑問が湧きますよね。これは前年度、もしくは前々年度の所得が審査基準になるからです。

離婚間もないシングルマザーの場合、前年度、前々年度は子どもが夫の扶養家族となっていたためにカウントされないということです。毎年8月に現況届を提出して更新されるので、次の年からは自分の扶養家族となります。

扶養義務者の所得制限をチェック

児童扶養手当の扶養義務者とは

「扶養義務者」は、受給者(申請者)の父母、祖父母、曾祖父母、兄弟姉妹、配偶者、子ども、孫、ひ孫が該当します。

離婚した場合の配偶者は対象外になるため、元夫は扶養義務者にはなりません。また、同居していても叔父や叔母は扶養義務者にはなりません。

上記に当てはまる人で「受給者(申請者)と同居している」「所得が38万円以上ある」という二つの条件を満たしている人が児童扶養手当の扶養義務者となります。

一人でも所得制限を越えると支給対象外になる

扶養義務者のうちだれか一人でも所得制限を超えていると児童扶養手当の支給対象外になってしまいます。

例えば、離婚して実家に戻った場合、父母や兄弟姉妹、祖父母、曾祖父母と同居をすることになると思いますが、その中に一人でも38万円以上所得がある人がいれば、所得制限の対象となります。

世帯が別でも……

「同居をしていても世帯が別なら自分だけの所得で児童扶養手当を申請できるのでは?」と考えるシングルマザーも多いのではないでしょうか?

ただ、児童扶養手当の支給に関わる判断をするのは自治体になりますが、世帯が別でも同じ住所にある同じ家で生活をしている場合、「生計を共にしている」とみなされるケースが多いようです。

「生計を同じくしている」状態であれば同居と判断され、児童扶養手当を受給できないケースの方が多いのが現実です。

賃貸住宅で家賃を半分負担していたり、公共料金の請求書が別々になっていたりする証拠を提出すれば、受給対象になるようです。

東京都新宿区 児童扶養手当
http://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_04_00006.html

和歌山県 児童扶養手当のご案内 民法第877条第1項に規定する扶養義務者
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/040200/LIST/hyo3.html

児童扶養手当 全部支給の計算方法 

児童扶養手当の支給額は毎年変更されますが、今回は2017年度の金額で計算してみました。

全額支給では、子ども一人の場合は42,290円。二人目は9,990円加算され、三人目以降は5,990円ずつ加算されていきます。

子ども1人の場合 42,290円
子ども2人の場合 52,280円(42,290円+9,990円)
子ども3人の場合 58,270円(42,290円+9,990円+5,990円)
子ども4人の場合 64,260円(42,290円+9,990円+5,990円+5,990円)

物価スライド制とは?

2017年4月より子どもが二人以上の場合の加算額にも「物価スライド制」が導入されました。「物価スライド制」とは、物価の上昇・下降に応じて支給額が変動する仕組みです。

2017年度は前年度の「全国消費者物価指数」の実績値の変動が0.1%下降したことを踏まえて、児童扶養手当も0.1%引き下げになりました。子どもの人数に伴う加算額も同じように引き下げられ、二人目は前年度の10,000円から9,990円、三人目以降は前年度の6,000円から5,990円に最大月額が変更されました。

児童扶養手当 一部支給の計算方法

一部支給の場合、全部支給より複雑な計算方法になります。

  • 手当月額
    =42,280円-(あなたの所得額-所得制限限度額)×0.0186705+二人目加算額+(三人目以降加算額×三人目以降の人数)
  • 二人目加算額
    =9,980円 -(あなたの所得額-所得制限限度額)×0.0028786
  • 三人目以降加算額
    =5,980円-(あなたの所得額 - 所得制限限度額)×0.0017225

※東京都新宿の計算式を基に計算
※所得制限限度額は扶養親族数によって金額が変わります。下記金額を「所得制限限度額」に入れて計算します。
→扶養親族数0人:19万円
→扶養親族数1人:57万円
→扶養親族数2人:95万円
→扶養親族数3人:133万円
※計算式内の金額や係数(42,280や0.0186705など)は、毎年同じではなく物価が変動するとともに変更される可能性があります。



[シングルマザー(年収250万円、養育費なし)+小学生の子ども一人の場合]

  • あなたの所得額
    =250万円-93万円(給与所得控除額)-8万=149万円
  • 手当月額
    =42,280-(149万円-57万円)×0.0186705=42,280-17,180=25,100円

月25,100円が児童扶養手当の一部支給額となります。

かなり複雑な計算式ですよね……。ただ、児童扶養手当の金額をシュミレーションできるWEBサイトもあります。ぜひ利用してみてください。

Wings -Divorce Forum- 児童扶養手当支給額シミュレーション 
http://goo.gl/KNWxk3

まとめ

児童扶養手当はシングルマザーだからという理由で受給できるわけではなく、前年度の所得と子どもの人数によって金額が決まります。自身の所得からおおよその金額はわかるので、お時間のある方は是非ご紹介した計算方法を参考にしてみてください。

個人的には物価の変動などに関係なく一律にしていただけるとわかりやすくてよいと感じますが、皆さんはどう思われますか? ご意見を聞かせていただければ嬉しいです。