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離婚協議書って何を書けばいいの?

ライター 森本由紀

1児の母。12年の結婚生活を経て40代で離婚しシングルマザーに。現在は行政書士・カウンセラーとして活躍するかたわら、ライターとしても執筆活動を行っています。

Photo yuki morimoto

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協議離婚するなら離婚協議書を作ろう

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離婚協議書とは、夫婦間で離婚の条件などを取り決めした際に作っておく合意書(契約書)のことです。契約は口頭の約束だけでも有効に成立しますが、書面にしておくと安心。特に協議離婚の場合には、離婚の条件についても話し合いだけで決めることになりますから、書面がなければ、後で「言った」「言わない」のトラブルになることが予想されます。

条件の取り決めがないときにも作っておいたほうが安心

特に決めるようなことがない場合でも、「お互いに何の債権債務もない」という確認のため、離婚協議書を作っておいたほうが良いでしょう。財産分与は離婚後2年、慰謝料は3年経たないと時効になりませんから、後で相手が何らかの請求をしてくる可能性もあります。

 

離婚協議書作成のポイントを解説

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離婚協議書に決まった書式はなく、パソコンでも手書きでもOKです。収入印紙を貼る必要もありません。作成後は、お互いが署名捺印してそれぞれ持っておきます。もし約束が守られなかった場合には、離婚協議書を証拠として、裁判を起こすことができます。

離婚協議書に書く内容

協議離婚で決めなければならないことは、主に下記の1~6になります。これを目安に書いていきましょう。

  1. 親権 親権については離婚届に記載することになりますが、離婚協議書にも一応書いておきましょう。
  2. 養育費 毎月の養育費の金額と、いつまで支払いを続けるかを書きます。養育費の支払いは原則として子どもが成人するまでですが、大学へ進学させる場合には22歳までとするのが一般的。まとまってかかる進学費用などは、毎月の養育費とは別に決める形にしておくと安心です。
  3. 面会交流 子どもと離れて暮らしている親が、子どもと面会などを行うことについて書きます。「月○回」と決めておいてもかまいませんが、病気などで回数がこなせない可能性もあります。「子どもの様子を見ながらその都度協議する」といった柔軟な形にしておいたほうが良いでしょう。
  4. 財産分与 婚姻中に夫婦で購入した家や車、保険などをどうするかを取り決めます。金銭の支払いがあるときにはきちんと書いておいたほうが良いですが、細かなものを全て列挙する必要はありません。家財道具についてはあらかじめ引き渡しをすませておき、残っているものについては出て行く側が「所有権を放棄する」旨を書いておくと、後で処分に困ることもありません。
  5. 慰謝料 分割払いになる場合には、トータルの金額と、何回に分けていくらずつ支払うかを書きます。離婚までに支払いが完了している場合や支払いが発生しない場合にも、証拠として書いて残しておきましょう。
  6. 年金分割 年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金を夫婦間で分割することができる制度です。年金分割ができる場合には、どうするかを話し合って決めましょう。ただし、年金分割は離婚協議書に書いただけでは効力が発生せず、年金事務所での手続きが必要になります。

離婚協議書は公正証書にするとさらに安心

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毎月の養育費の支払いや慰謝料の分割払いなど、離婚後に金銭の支払いが発生する場合には、公証役場で「離婚給付契約公正証書」という形で離婚協議書を作っておくのがおすすめです。

公正証書とは

公正証書は、法律の専門知識をもった公証人が作成する公的な文書です。公正証書にしておくことで、証拠としての力が強くなりますから、約束が守られなかった場合に給与差押なども可能になります。

公正証書を作成するには

公正証書を作る場合には、夫婦で公証役場に出向くのが原則です。公証役場にいきなり出向いても対応してもらえませんから、事前連絡のうえ、あらかじめ夫婦間で取り決めなどの打ち合わせをしておきましょう。行政書士に依頼すれば、離婚協議書の内容の確認や公証役場との連絡を任せられるだけでなく、夫婦の一方が出頭できない場合に代理人になってもらうこともできます。

 

まとめ

通常、家族間で何か約束事をしたときには、あまり契約書を作ることはしないでしょう。離婚の際にも、「契約書まで作る必要があるの?」と思う人もいるかもしれません。けれど、離婚するということは、家族ではなく他人になるということ。「約束したことは守ってくれるはず」と思っていても、他人になってしまえば期待を裏切られる可能性は高くなります。他人になるケジメとして、離婚協議書は必ず作成しておきましょう。